研究員によるフォトブログ

No.185 ニホンザルの白変種

2013年09月27日

清野 紘典
真っ白なニホンザルを見るのは珍しいことです。
加齢とともに体毛が白っぽく変化するサルはしばしば観察されますが、写真のように完全な白色になることは少ないのです。
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写真のサルは瞳孔が赤色ではなかったので、アルビノではなく、白変種であると考えられます。
アルビノは先天的にメラニン色素を生成できない遺伝子疾患ですが、白変種はメラニンを生成する正常な遺伝情報がありながら白化します。白変種と考えられるポイントは、瞳孔の色に加え、頭の一部分だけは通常のニホンザルと同じように茶色系の色になっていることです。メラニンを作れるのですが、作らないのです。
白変種は雪と同化する保護色なので氷河期に有利な資質だったと考えられています。
今では茶色が主流のニホンザルですが、何万年も前の氷河期に日本が雪で覆われていた時代には、敵から身を隠すことができる白いニホンザルたちがたくさん駆け回っていたのかもしれません。

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