研究員によるフォトブログ

No.230 スズメバチとスズバチ

2015年10月05日

岸本真弓
 スズメバチは私の天敵だ。前回刺された時にかなりの症状が出たので、次はただではすまないだろう。
 そんなスズメバチが糞虫を殺すところを見た(写真1)。シカの糞に数匹の糞虫が集まっていた。写真を撮ろうと近づくと、私より早くスズメバチが糞虫にとびかかり、1匹を捕まえた。スズメバチを恐れる私は3mほどさがった。スズメバチはその場でバリバリと音を立て押さえ込んだ糞虫のどこかを噛み砕いている。周りにいた他の糞虫たちは、慌てるでもないが、そそくさといなくなった。十数秒だろうか、数十秒だろうか、噛み砕きを終えたスズメバチは糞虫を抱えて去っていった。
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 数日後、再び地面で何かをしている大型のハチを見た(写真2)。外見がヒメスズメバチに似ていると思い、怖くて遠方からの観察にとどめた。写真をもとに検索するとどうやら、スズバチというハチらしい。スズバチは、触覚と前足でまるで、探索するかのように、地表をつんつんしながら歩き、飛び、歩き、あるところで止まって吻と手か何かで地面をさらにどうかしていた。ときどき口元に何かもやっとしたものが見えた。ハチは、何かを抱えて飛び立った。同じ個体かどうかわからないが、すぐにまたもう1匹スズバチがやってきて、同じ事を繰り返し去って行った。この一連の行動を見て、私はてっきり、土中の芋虫を見つけ出し、引きずり出し、殺して持って行ったのだと思っていたのだが、どうやら巣作りのために粘土質の土を集めていたようだ。それにスズバチは人は刺さないらしい。
 よく似た外見でよく似た行動だが、意味は全くことなっていた。私には見るメがないようだ。

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