No.134 市街地に出没するニホンザルの現状と対応
市街地に出没するニホンザルの現状と対応 海老原寛,清野紘典,檀上理沙,岡野美佐夫,岸本真弓,加藤洋(WMO) ~ハナレザルの市街地への進出~ 全国的にニホンザル(以下、サル)による農業被害や生活被害、人身被害が増加しているのは、すでに周知の事実であろう。この中で問題の中心となっているのは農業被害であり、各地で捕獲や防除対策が行われ、被害問題の解決に向けて尽力している。 このような現状の中、近年、新たなサル問題として、市街地に侵入したハナレザル(ハグレザル)による生活被害や人身被害が増加傾向にある。テレビのニュースな…
No.133
・2017年 年頭にあたり ~なすべきこと~
・クロウサギのいる島を訪ねて
・カナダで鳥に魅せられて
・ネズミ捕獲奮闘記 ~ネズミ調査、始めました~
・学会報告
決意を新たに~哺乳類学会参加レポート~
日本哺乳類学会2016年度大会に参加して
第22回・日本野生動物医学会大会に参加して
・図書紹介「外来生物ずかん」
・WMO活動報告2016年10月~12月
No133 ネズミ捕獲奮闘記~ネズミ調査、はじめました~
ネズミ捕獲奮闘記 ~ネズミ調査、始めました~ 榊 葵(WMO) 【はじめに】 皆様、新年明けましておめでとうございます。早いもので、2016年も終わってしまいました。入社してからは、とにかくついていくことに必死で、あっという間に9ヵ月が過ぎました。カウント調査やロケーションでサルを追っかけたり、山登りをしたり、道なき道をヤブ漕ぎしたり、サルやシカに触ったり、クマに襲われたり、大学4年間を上回るぐらい濃い9ヵ月だったような気がします(言い過ぎ?)。 【ネズミ調査概要】 そんな私ですが、大学の卒業論文では、エゾシカの…
No.132
・シカ肉とわたし
・アライグマ勉強ノート no.13
・書籍紹介『フンコロガシ先生の京都昆虫記』
・ヤブコギモノローグ
・第32回・日本霊長類学会大会に参加して
・WMO活動報告2016年7月~9月
No.132 シカ肉とわたし
シカ肉とわたし 田中 啓太(WMO) 私が初めて(意識して)シカ肉を食べたのは高校生のときでした。カヌーイストで作家、自然保護活動家でもある野田 知佑さんという方をご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、その野田さんの一味に藤門 弘という男がいまして、両親の大学時代からの友人ということで昔から親交があり、そのときも藤門からの突然の電話でことが始まりました。 「ケイタ、良いシカ肉が手に入ったから野田さんと一緒に食おうぜ」 今考えると色々と不可解なことが多いのですが、中野あたりだったと思いますが、マンションの1室を藤…
No.131 拾う、残す、利用する~私の有効活用法~
拾う、残す、利用する ~私の有効活用法~ 檀上 理沙(WMO) 最近は狩猟や有害捕獲によって捕殺したシカやイノシシを食肉として有効活用するため、飲食店でジビエ料理の提供を行ったり、加工品を販売したりと、鳥獣被害対策や地域活性化に貢献する取り組みが積極的に行われ、各地で定着してきている。私自身も、料理はあまり得意でないがシカやイノシシを自分で調理して食べ、サルやアナグマを入手した際は職員同士で試食会をしたことがある(写真1)。食肉として有効活用するためには、衛生的に処理されていることが大前提である。一方…
No.131
・拾う、残す、利用する~私の有効活用法~
・ニホンザル悪質個体の選択捕獲~効果的な被害軽減と保全のための個体数管理手法
・常在微生物のチカラ
・学部時代→新たな環境→さらにその先へ
・新人紹介
・WMO活動報告2016年4月~6月
No.130
・「狩りガール」~葛藤の日々~
・狭山丘陵のキタリス
・新人紹介
・WMO活動報告2016年1月~3月
No.130 「狩りガール」~葛藤の日々~
「狩りガール」~葛藤の日々~ 関 香菜子(WMO) この雑誌を手に取った皆様は、「狩りガール」という言葉を、これまでに何度も耳にされていることと思います。狩猟免許を取得して、ハンターの世界に飛び込んだ女性達のことを指します。環境省の報告によると、狩猟免許の所持者は昭和50年で約51万8千人でしたが、平成25年度には約18万5千人と半減している中、女性だけでみると、平成8年度の1,107人から平成25年度には2,636人に倍増しています。近年、女性ハンターがメディアで取り上げられる機会も増えるなど、ひそかな盛り上がり…
No.129
・2016年 年頭にあたり
・追悼 片山敦司君へ
・東中国クマ集会を育てた片山さん
・秘めたる想いを信じて
・片山さんを偲んで
・片山さんを偲んで
・片山さんのうちの顔
・タヌキの厠放棄~タヌキの自動観察その後~
・アジア大陸と日本列島をつなぐ対馬
・WMO活動報告2015年10月~12月
No.129 アジア大陸と日本列島をつなぐ対馬
アジア大陸と日本列島をつなぐ対馬 山元 得江(WMO) ◆対馬というところ 対馬は、九州と韓国の間にある面積約696km2の島で、長崎県に属している。対馬-福岡間の距離は航路で約132km、対馬-韓国間の距離は約49.5kmであるため、実は対馬は福岡よりも韓国の方が近い。対馬の最北端の展望台では天気が良ければ韓国が見え、韓国からの観光客も多いため道路のほとんどの看板にはハングル文字が併記されている。また、過去には遣隋使や元寇、近代の戦争などで幾度ともなく要所となってきたことからも分かるように、対馬は大陸と日本を繋ぐ…
No.128 IWMC関連シンポジウム「クマ類の安全な捕獲処理と捕獲処理技術・個体管理の最適化向けて」報告
IWMC関連シンポジウム 「クマ類の安全な捕獲処理と捕獲処理技術・個体管理の最適化向けて」報告 岸本 真弓(WMO) 今でもよく思い出す。あれは2002年のことだったか? 日が傾き始めた農地の横で、クマを放すなんてとんでもないと怒り口調で詰め寄る男性に、片山君は反論することもなく、静かに話を聞く。ひとしきり話した男性のトーンが少しさがったところで、片山君は「安全に作業を行います」と言う。そして作業は続けられた。 今はもう私たちが住民の方の抗議の矢面に立つことはない。 各担当の行政の方々が説明にあたってくださり…
No.128
・栃木県シカ糞塊密度調査で見つけたもの
・ササヤブのヤブササ(やぶさか)ではないハナシ
・学会報告
IWMC関連シンポジウム「クマ類の安全な捕獲処理と捕獲処理技術・個体管理の最適化向けて」報告
IWMC2015 WMO主催クマシンポについて~クマ管理の未来に目指すものとは
野生動物への餌付けをどう捉えるか?‐IWMC参加報告‐
IWMCに参加して
・WMO活動報告2015年7月~9月
No.127
・カモシカと人 ―農業被害―
・見えるって、素晴らしい カワウ目線で考えるニホンザルの保護管理~分裂するものたちへの挑戦~
・猿画美術館
・目的に応じた調査・分析手法の選択と積極的な事業展開を~法改正に伴う今後の展望~
・新人紹介
・図書紹介
・WMO活動報告2015年4月~6月
No.127 見えるって、素晴らしい カワウ目線で考えるニホンザルの保護管理~分裂するものたちへの挑戦~
見えるって、素晴らしい カワウ目線で考えるニホンザルの保護管理 ~分裂するものたちへの挑戦~ 加藤 洋 (WMO) 1.カワウの保護管理の特徴 他の野生鳥獣と違い、カワウ(鳥類)の保護管理に特に欠かせない事は、「広域的な視点」である。カワウは、河川や湖沼等の内水面だけでなく、海水面等の水面を広く利用している。また、ねぐら(※1)として利用する場所は、人間の生活圏に深く入り込んでいる事が少なくなく、都市部を流れる河川の河畔林や湖沼、住宅地に囲まれた都市公園やゴルフ場といった、人の生活圏と近接した環境を利用している。…
No.126 お元気ですか
お元気ですか (株)野生動物保護管理事務所 代表 羽澄 俊裕 これは私が(株)野生動物保護管理事務所(WMO)の代表として書きあげる最後の原稿となります。私はこの4月で60歳になりましたので、当初予定どおりWMOの代表職を引退いたします。28歳の時にWMOを始めましたので、いつの間にか32年も経てしまいました。長きにわたり御支援をいただきましたことを、深くお礼申し上げます。 1983年(昭和58年)に初代代表の東英生の自宅で看板をあげて以来、このささやかな機関誌を通して、野生動物を護るということを考え、主張して…
No.126
・お元気ですか
・羽澄父ちゃん
・羽澄さんの退職を記念して
・「40年?が過ぎて」(ニホンザル編)
・WMOの思い出
・フィールドワークのすすめ
・今の私がいること
・私と羽澄さんとの関わり。そして今後への期待。
・あっという間の長い時間
・恩返し
・羽澄さんの語るマネジメントの理論とともに
・代表交代にあたって
・WMO活動報告2015年1月~3月
No.126 代表交代にあたって
代表交代にあたって (株)野生動物保護管理事務所 濱﨑 伸一郎 羽澄俊裕氏の代表取締役退任に伴い、新たにWMOの舵取り役を任されることになりました。前代表在任時と同様にご指導とご支援のほどお願いいたします。 羽澄さんは1983年に東英生さん(初代代表)とともにWMOを創立されて以来、Wildlife Managementのシステムを社会に根づかせることを目標として長年にわたって力を注がれるとともに、WMOをここまで牽引してこられました。今でこそ野生動物管理という言葉は普通に使われ、法律にも記載されるほど社会に定着し…
No.125 日本哺乳類学会2014年度大会に参加して~かわいそう、かわいいって難しい~
日本哺乳類学会2014年度大会に参加して~かわいそう、かわいいって難しい~ 研究員A・M(WMO) 昨年の哺乳類学会もまた様々な演題が並び、どの講演に行こうか頭を悩ませる、充実した数日間でした。中でも特に印象的だったのが、静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターの方々が発表された、硝酸塩を使用したシカの捕獲試験に関してのシンポジウムでした。硝酸塩入りの餌を食べさせ、酸欠状態を起こし死に至らせる方法です。反芻動物以外に影響はないとして、今後のシカ対策の一手として期待されており、ニュースにも取り上げられました。しかし、…
No.125
・鳥獣法改正とこれからの10年
・鳥獣被害対策実施隊の現状と体制について
・人口減少社会で野生動物との付き合い方を考えるために
・富士山北麓におけるニホンテンの食性の季節変化
・日本哺乳類学会2014年度大会に参加して~かわいそう、かわいいって難しい~
・WMO活動報告2014年10月~12月