WMO.club

No.143

2019年07月発行

・野生動物と家畜の間で広がる感染症
・東京都青梅市成木で観察されたニホンジカの角疾患
・収集物の後始末
・そうだ、香港へ行こう。
・カムイと共に生きる~アイヌ文化と北海道の野生動物~
・WMO活動報告2019年4月~6月

No.143 野生動物と家畜の間で広がる感染症

2019年07月発行

野生動物と家畜の間で広がる感染症 近藤 竜明(WMO)   【はじめに】 2018年9月に衝撃的なニュースが飛び込んできた。私の故郷、岐阜県岐阜市の養豚場で「豚コレラ」が発生したのである。「これは大変なことになるな」と直感した覚えがあるが、この後にイノシシの感染個体が次々と確認され、県の畜産施設でも感染個体が出るなど、ここまで大きな事態になるとは予想もしていなかった。以降、お隣の愛知県でもイノシシや養豚場でも発生が確認され、養豚場の豚が殺処分となるケースが相次いでいる。本稿を執筆中にも三重県そして福井県で…

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No.142 石川県加賀市に生息するカモシカ――行動圏と老齢個体の動き――

2019年04月発行

石川県加賀市に生息するカモシカ――行動圏と老齢個体の動き――   山元 得江(WMO)   【はじめに】 石川県南部の加賀地域では、ニホンカモシカ(以下「カモシカ」という)以外の調査でカモシカを目撃する機会が多かった。また、白山山麓に設定されている白山カモシカ保護地域は、全国のカモシカ保護地域の中でもカモシカ密度が最も高い地域の一つである。一方で、同地域にはニホンジカ(以下「シカ」という)が侵入して分布域が拡大すると共に生息数が増加している状況にある。この地域に生息するカモシカ3頭にGPS首輪を…

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No.142

2019年04月発行

・石川県加賀市に生息するカモシカ――行動圏と老齢個体の動き――
・「日本自然保護大賞2019」入選の報告~「受賞記念シンポジウム」参加報告を兼ねて~
・趣味としての狩猟
・The Last Frontierで暮らす
・新人紹介
・WMO活動報告2019年1月~3月

No.141 尾瀬だより ~生物編~

2019年04月発行

尾瀬だより ~生物編~ 後藤 拓弥(WMO) 前回の歴史編に引き続き、今回は尾瀬に住む生物にスポットライトを当てます。尾瀬国立公園内および周辺域(南会津町含む)では多種多様な生物を観察することができます。ほんの一部ではありますが、私が確認できた観察種をいくつかご紹介します。 ■哺乳類編 哺乳類はニホンジカ、ニホンカモシカ、ツキノワグマといった大型獣からニホンザル、キツネ、タヌキ、テン、ヤマネ、オコジョ等々、小中型哺乳類まで多様な種が観察されます。尾瀬に生息するニホンジカは、これまでの環境省のGPS首輪による調査結果…

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和歌山タイワンザルの群れ根絶の報告

2019年02月発行

和歌山タイワンザルの群れ根絶の達成 白井 啓(WMO、和歌山タイワンザルワーキンググループ)   あっという間の24年間 あっという間に月日は流れていたが、ふりかえってみると24年もの長い時が経過していた。あっという間の24年間、粛々と進めてきたとも思うし、同時にさまざまな喜怒哀楽のできごともあった。本来責任のないタイワンザルと交雑ザルを、侵略的外来種だという人の論理で一方的に強制的に捕獲したわけで、祝賀会をする気持ちはない。しかし、日本の外来種対策において大変貴重な事例であり、多くの方々の協力で達成でき…

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No.141

2019年01月発行

・2019年 新たな時代に
・尾瀬だより~生物編~
・山を歩き続けて
・新人紹介
・学会参加報告
フィールドノート 日本哺乳類学会報告
日本哺乳類学会2018年度大会に参加して
学会参加報告
哺乳類研究×テクノロジー~日本哺乳類学会2018年度大会に参加して
・WMO活動報告2018年10月~12月

No.140 乱反射

2018年10月発行

乱反射 三木 清雅(WMO)   今日、あなたは何を求めて行動しているだろうか。 私は今、原稿の〆切に追われ、野生動物は生きていくために最も重要な食物探しに日々追われているはずである。野生動物にとって食べ物の確保は生死に繋がることであり、それを利用して捕獲にも「エサ」が用いられて、食べ物にありついたら結局死に至ることもある。 山の中を熟知している野生動物にとっても食物探しはきっと容易ではないはずであり、禁断の農作物に手を出すニホンザルがいる。農作物被害に遭っている農家さんに話を聞く機会があるが、よくこんな…

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No.140

2018年10月発行

・乱反射
・アライグマ勉強ノート no.14
・和歌山タイワンザルの群れ根絶の達成
・学会参加報告
MSJ2018を終えて
日本哺乳類学会2018年度大会参加報告
日本哺乳類学会2018年度大会参加報告 研究と対策のあいだに~元海棲哺乳類研究者から見た、陸上哺乳類研究のチェレンジャー精神
・WMO活動報告2018年7月~9月

No.139 野生動物を撮る

2018年07月発行

野生動物を撮る 稲葉 史晃(WMO)   皆さんは「野生動物をとる」と言われた時、どの「とる」を想像しますか。野生動物に関わる方々は「捕る」が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。私もその一人ではありますが、今回はとるはとるでも野生動物を「撮る」について書かせていただこうと思います。 モリアオガエルの撮影  モリアオガエルという名前は聞いたことがあっても、見た事のある人は少ないかもしれません。成体は森林で生活し、繁殖期の4月~7月になると林縁近くにある湖沼に集合し産卵します。梅雨の時期に、池際の木に白い塊が…

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No.139

2018年07月発行

・日本の野生動物保護政策 -ニホンライチョウを例に-
・尾瀬だより~歴史編~
・今後のシカ管理と森林管理 -英彦山の植生変化から感じたこと-
・野生動物を撮る
・WMO活動報告2018年4月~6月

No.138 追い払いを通して知ったニホンザルの魅力

2018年04月発行

追い払いを通して知ったニホンザルの魅力 榎本 拓司(WMO) 〇はじめに 私は今から6年前の春、野生動物調査の世界へ足を踏み入れました。それまでは、京都で環境問題について学び、2005年にフィリピン共和国ルソン島にある山岳地帯にて森林回復のための苗木植栽・維持管理の仕事に関わっていました。その後、日本で里山の管理・公園・街路樹・庭園などで造園の仕事をしていました。そして2012年に造園から転身して、ニホンザルの追い払い事業に関わらせていただいた事をきっかけに、追い上げ事業やさまざまなサル業務に関わらせていただき、今…

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No.138

2018年04月発行

・追い払いを通して知ったニホンザルの魅力
・書籍紹介『オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか』
・業務で使う最適なライフル銃の検討
・カモたちに魅せられて
・新人紹介
・WMO活動報告2018年1月~3月

No.137 生態系被害防止外来種アメリカザリガニ

2018年01月発行

生態系被害防止外来種アメリカザリガニ 平山 寛之(WMO) 読者のみなさんは外来種というと何を思い浮かべるだろうか。釣りをする人であれば、オオクチバスやブルーギル、野鳥観察が趣味の人であればソウシチョウ、哺乳類に興味があればアライグマやマングースが思い浮かぶだろうか。 先に挙げた動物は、外来種の中でも特定外来生物に指定されているものである。環境省HPによると外来種は「もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物」とされている。その中でも、生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害が…

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No.137

2018年01月発行

・2018年 新年を迎えて
・鳥インフルエンザの特徴と対策
・生態系被害防止外来種アメリカザリガニ
・学会参加報告
第23回「野生生物と社会」学会 帯広大会参加報告
・WMO活動報告2017年10月~12月

No.136

2017年10月発行

・「たね」と「再生」のお話し
・金時山散策報告
・書評『湿地の博物誌』
・「狩りガール」~有効活用:はじめてのシカ角加工~
・錯誤捕獲問題について考える
・学会参加報告
日本哺乳類学会2017年度大会への参加報告
第23回日本野生動物医学会大会への参加報告
・新人紹介
・WMO活動報告2017年7月~9月

No.136 「狩りガール」~有効活用:はじめてのシカ角加工~

2017年10月発行

「狩りガール」~有効活用:はじめてのシカ角加工~ 関 香菜子(WMO)   2016年の4月発行(no.130)のFIELDNOTEで、「「狩りガール」~葛藤の日々~」というタイトルで、私が初めて銃猟でシカを捕獲した時のこと、なぜハンターになろうと思ったのか、ハンターとしての葛藤の日々や今後の思いを書いた。今回は、その続編にあたるのか、有効活用の現状についてまとめ、私がはじめて行ったシカ角加工について紹介する。   有効活用として最初に思い浮かぶのは、食肉利用(ジビエ)だと思う。ジビエブームとし…

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No.135 謎の多いイノシシの山での仕事

2017年07月発行

謎の多いイノシシの山での仕事 岸本 真弓(WMO)   野生動物は生態系の中で様々な役割を担っている。その役割や関係性は複雑で、私たちヒトの理解を超えている。だから、わかったなんて言うのはおこがましいが、それでもその一端を見て、想像を膨らませ楽しむことぐらいは許してもらいたい。 2017年4月上旬、京都の山を歩く。もう20年続くシカのモニタリング調査である。そしてこの日の私の担当するコースは、この20年間誰にも譲ることなく私が歩いてきたコースであった。勝手知ったる地形の中、いつものように登り、曲がり進んで…

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No.135

2017年07月発行

・謎の多いイノシシの山での仕事
・書籍紹介『湿地帯中毒―身近な魚の研究史』
・千葉県印旛沼水系におけるカミツキガメ問題と対策
・クマのゾーニング管理、はじまる
・人口減少と野生動物管理
・WMO活動報告2017年4月~6月

No.134

2017年04月発行

・えひめの哺乳類情報
・奈良のシカと人の歴史
・書籍紹介『コアカリ 野生動物学』
・市街地に出没するニホンザルの現状と対応
・新人紹介
・WMO活動報告2017年1月~3月

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