WMO.club

No.123 ニホンザル追い払い事業を終えて

2014年07月発行

ニホンザル追い払い事業を終えて 稲葉 史晃   2013年4月、京都で行われているサルの追払い事業に参加した私は初めて野生動物の調査という世界へ足を踏み入れた。大学で水産学を学んでいた私にとってサルの知識はもちろんの事、獣害の現状など知る由も無く、さすがにこんな住宅街までサルが出るわけがないと思っていた。しかしそんな甘い考えは初日で覆される事となった。 インターネットや新聞等では獣害の現実、原因が報告されているが文面でしか知らなかった。しかし実際にその地域に移住し現実を目の当たりに出来たことは非常に良い経…

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No.122 シカ飼育日誌~かわいいベイビー、ハイハイ♪~

2014年04月発行

シカ飼育日誌 ~かわいいベイビー、ハイハイ♪~ 檀上 理沙(WMO) 3月下旬から急激に暖かくなり、春の訪れを感じますね。『春』といえば、多くの動物たちの出産シーズンです。この季節に動物園などへ赴けば、動物好きの方もそれほどでもない方もかわいいベイビーたちを眺めながら自然と顔をほころばせています。私も早くベイビーたちを眺めて、ニヤニヤしたいと思う今日この頃です。 ニホンジカ(Cervus nippon、以下シカ)では5月下旬から7月上旬に分娩を迎えます。今回は、私が飼育していたシカの分娩について、当時の飼育日誌とビ…

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No.122

2014年04月発行

・鳥獣関連の統計の図化
・けものみちトレイルを歩く醍醐味2013
・シカ飼育日誌~かわいいベイビー、ハイハイ♪~
・丹沢のクマ保護管理を考える
・新人紹介
・WMO活動報告2014年1月~3月

No.121 カモシカの生活

2014年01月発行

カモシカの生活 山田 雄作(WMO)  ニホンカモシカ (以下、カモシカとする) は日本の特別天然記念物に指定されている大型の哺乳類である。近年、カモシカを取り巻く状況は大きく変化している。 はじめに  カモシカはどんな動物か、シカほどすぐにイメージができる人も少ないのではないだろうか。実際に、その生活やおかれている状況について分かっていない点は多い。これまでカモシカの研究は1980年代から1990 年代にかけて盛んに行われたが、それ以降あまり行われておらず、カモシカに関する調査研究が下火になっているのである。しか…

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No.121

2014年01月発行

・年始めの御挨拶
・世界に誇る日本の財産
・カモシカの生活
・“A Sand County Almanac And Sketches Here and There”
Aldo Leopoldと私
・ドイツの犬事情から見えた日本とドイツの動物観の違い
・学会参加報告
日本霊長類学会・日本哺乳類学会 2013年合同大会―参加報告―
哺乳類学会 2013年大会 参加報告
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会に参加して
2013年10月・学会参加報告
・WMO活動報告2013年10月~12月

No.120

2013年10月発行

・“みる”力
・アライグマ11年生の勉強ノート
・白いヒグマプロジェクト 2012年択捉島のヒグマ調査に参加して
・学会参加報告
日本霊長類学会・日本哺乳類学会 2013年度合同大会-参加報告
日本霊長類学会・日本哺乳類学会合同大会2013.参加報告-3つの視点から-
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会参加感想
・WMO活動報告2013年7月~9月

No.120 白いヒグマプロジェクト 2012年択捉島のヒグマ調査に参加して

2013年10月発行

白いヒグマプロジェクト 2012年択捉島のヒグマ調査に参加して 伊藤 哲治(WMO)   国後島および択捉島は、北海道の北東に位置する島々であり、各島でヒグマUrsus arctosが約300頭、約650頭 (約5~10km2当り1頭)分布すると推定されています。 2012年8月24日〜9月10日、北海道の北東に位置する択捉島に専門家交流グループのヒグマ班の一員として、調査に参加させていただきました。 この調査は、2009-2010年に国後島でおこなわれた“白いヒグマプロジェクト”の継続調査として行われま…

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No.119

2013年07月発行

・西日本1府3県における最近10年間のツキノワグマの出没情報件数の変化とその要因
・交雑種が外来生物法の対象に(千葉アカゲザル問題を中心に)
・野生動物による被害を考える-実践アライグマ被害対策 前編-
・看板や標識から始まるペンギンとの共存-南アフリカ-
・書評「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」-漫画で迫る狩猟の世界-
・WMO活動報告2013年4月~6月

No.119 交雑種が外来生物法の対象に(千葉アカゲザル問題を中心に)

2013年07月発行

交雑種が外来生物法の対象に(千葉アカゲザル問題を中心に) 白井  啓(WMO) 2013年、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下、「外来生物法」とする)による規制の対象を、交雑種にも広げることになった(朝日新聞2013年3月30日付け記事参照)。2005年に外来生物法が施行されて8年目のことである。これまで交雑個体は、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」で扱われてきた。 このことで、WMOが取り組んでいる和歌山のタイワンザル問題、千葉のアカゲザル問題においても(白井2…

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No.118

2013年04月発行

・「Wildlife management」は「野生動物の管理」か?
・けものみちトレイルを歩く醍醐味)
・ニホンジカの資源化に関する海外研修報告-ニホンジカの中国での伝統利用と日本での資源化及び管理について
・新人紹介
・WMO活動報告2013年1月~3月

No.118 「Wildlife management」は「野生動物の管理」か?

2013年04月発行

「Wildlife management」 は「野生動物の管理」か? 羽澄 俊裕(WMO) Wildlife management の訳語として野生動物の「保護管理」という用語が使われてからずいぶん時間がたちました。1999年、環境省の所管する鳥獣保護法の改訂によって新設された制度が「特定鳥獣保護管理計画制度」と称された段階で、公式に認知された用語ともなりました。そしてなによりこの私は、1983年のWMO創業時に、いつまでもその目的を忘れないよう「野生動物保護管理」の文字を社名に取り込み、おかげでいろいろな書類の上…

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No.117

2013年01月発行

・2013年 年頭のご挨拶
・森林・林業再生プラン~これからの林業界に改革は起きるか~
・マクロ生態学と広域保護管理
・日本哺乳類学会2012年度大会参加報告
・日本哺乳類学会 2012年度大会~参加報告~
・WMO活動報告2012年10月~12月

No.117 森林・林業再生プラン ~これからの林業界に改革は起きるか~

2013年01月発行

森林・林業再生プラン ~これからの林業界に改革は起きるか~   湯浅 卓(WMO) <はじめに>  森林・林業再生プラン(以下、再生プランと呼ぶ)という言葉を耳にしたことはあるだろうか?ここ数年、時折耳にするようになったが、その内容は「林業を再活性化させる計画が作成されたらしい」とか、「木材自給率50%を目指すらしい」とか、「これから日本各地で大規模な森林伐採が始まるらしい」や、「森林伐採によってさらにシカが増えるんじゃないか?」といったものであり、全容は知らぬまま漠然とした不安を感じるものであった。 また、「伐れ…

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No.116

2012年10月発行

・アライグマ十年生の勉強ノート
・絶滅危惧種はどこへ行く?
・地図の地形表現
・文化か野蛮
・海外研修報告―IWMC2012に参加して―
・新人紹介
・WMO活動報告2012年7月~9月

No.116 海外研修報告~IWMC2012に参加して~

2012年10月発行

海外研修報告 ~IWMC2012に参加して~ 金子 文大(WMO) 2012年度の海外研修として、2012年7月9~12日の期間、南アフリカ共和国ダーバンのインターナショナルコンベンションセンター (ICC) で開催された第4回International Wildlife Management Congress 2012 (IWMC2012) に参加した (写真1)。 7月7日、成田空港22時発ドバイ行きの飛行機に搭乗するため、夕方17時頃に自宅を出た。まだ発表準備は完成していないが残りは現地に到着してから仕上げる…

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No.115

2012年07月発行

・九州にツキノワグマは生息するか-JBNの調査に参加して-
・転換点にあるニホンジカ管理の問題について
・縞枯れとシカによる樹皮剥皮
・タヌキの厠
・森をみて海を想う
・WMO活動報告2012年4月~6月

No.115 九州にツキノワグマは生息するか -JBNの調査に参加して-

2012年07月発行

九州にツキノワグマは生息するか -JBNの調査に参加して-   中川 恒祐(WMO) 6/8~6/10にかけて、日本クマネットワーク(JBN)が九州の祖母・傾山山系においてツキノワグマの生息調査を実施した。本調査は研究者や一般の方、学生などを含むJBN会員と地元の猟友会員ら約40名によって実施され、私もJBN会員として参加した。九州のツキノワグマは絶滅したといわれているが、近年になっても目撃証言が絶えず、昨年10月にも登山者によるクマの目撃情報が寄せられていた。こうした経緯もあり、JBNとして九州におけるツキノワグ…

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No.114

2012年04月発行

・広域を移動するシカ
・シカによる植生への影響を簡単に把握できないかという欲望を満たすための試行錯誤
・アセビを食う者,食わざる者
・企業説明会報告
・新人紹介
・WMO活動報告2012年1月~3月

No.114 広域を移動するシカ

2012年04月発行

広域を移動するシカ   濱崎 伸一郎(WMO)     ニホンジカCervus nippon(以下、シカと称す)の分布拡大と生息密度の上昇による農林業被害の増加に依然として収束の兆候が見られないなか、高山・亜高山帯など非常に自然度の高い地域における自然植生への影響が拡大している。知床半島、屋久島といった世界自然遺産指定地域をはじめ、尾瀬、日光連山、関東山地、南アルプス、剣山、霧島山地など我が国の著名な山岳地帯を含む国立・国定公園指定地域など、その影響は全国的な広がりを見せている。また、…

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No.113 ニホンザルの群れ生息分布推定法の開発

2012年01月発行

ニホンザルの群れ生息分布推定法の開発 清野 紘典・岡野 美佐夫・岸本 真弓(WMO) コストパフォーマンスが良いサル生息調査方法があれば・・ ニホンザルの保護管理計画を策定するにあたり、群れの生息状況は基礎的な情報として必要である。特定計画のモニタリング調査として過去に実施されてきた生息分布調査は、主にアンケート方式によってメッシュ図等で地域的な生息分布を把握する方法、あるいはサルを生体捕獲し、ラジオテレメトリー法によって群れ別に行動圏を明らかにして群れの分布を図化する方法である。前者は、簡便であるが群れ別の行動圏…

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