NO.301 山の小さな蛍光色
2018年06月26日
岸本真弓
山の中は生物の個体数以上に多様な色にあふれている。一個体が様々な色を持つこともあるし、同じ色が季節を追って変化していくこともあるからだ。だから同じところを何度歩いても、歩けば歩くだけ新しい発見がある。
山で見つけたもの、気づいたこと、あとで便利なインターネットで調べることもできるようになった。写真1はゴマフボクトクの幼虫の糞のようだ。この写真では鮮やかさがいまいちだが、山の中では蛍光オレンジのように見えることもある。木の根元に固まってある小さなオレンジ色のつぶつぶ。
写真2はウスタビガの繭。蛍光グリーンの小さなポーチが木々の隙間から見え隠れする。No.241のクスサンと同じくヤママユガ科の仲間で、この繭からも糸はとれるようだ。天蚕(野蚕)として使われているヤママユで取れる生糸は薄緑色、ヤママユの繭より鮮やかなウスタビガのこの繭から取れる糸はもっと鮮やかな緑ではないだろうか。見てみたいが、蛹にはちょっと酷なお話だ。
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