No.302 偉大なる木の力《防災》
2018年07月09日
岸本真弓
土砂が落ちてきて国道が通行止めになることが頻発しているという現場に行った。シカが少なからず影響しているだろうから、その実態を調べて欲しいという依頼をうけたためだ。森林再生の専門家の先生と一緒に、裸地化し土砂が崩落している現場を目指す。斜面を進むと鉄砲水の痕に出た。地面がVの字にえぐれていた。(写真1)。
北側の岸壁とも言える斜面を登ると、1本のケヤキが立っていた。崩落はそこから始まっている? いや、そうではない。始まりはもっと上部だ(写真2)。
ケヤキは土砂を堰き止めていた(写真3)。この木がなければ土砂はもっとたくさん、もっと鋭く、もっと激しく下へと向かっただろう。1本の木が守ったものは大きい。木は当たり前なこととしてこの場所でこの土地を守った。この当たり前の力を忘れてはいけない。ヒトの都合やヒトが遠因となった自然の不自然さにおいて、この木の力を借り、私達は山を守らなければならないと思う。
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