研究員によるフォトブログ

No.396 咄嗟の枝

2021年12月01日

海田明裕

今までも目にしていたのかもしれないが
先日初めて気が付いたことがある。

調査中脇を通り過ぎようとしたソヨゴの幹から、やたらにたくさんの細い枝が伸びていた。
その辺りはシカの比較的多い地域で、付近の樹皮にはシカによる樹皮食いの痕跡がわりと目立っていた。
その細い枝は樹皮食いのすぐ下の部分から上に向かって何本もが伸びていて、まるで樹皮食いを受けた部分をガードしているかのように見えた。ちょっとアメフトのヘルメットのガードっぽい感じに思えた。
しかし、偶然に細い枝の出る部分の上が樹皮食いにあっただけかもしれないと思い
その後はソヨゴのことをちょいちょい気にしながら歩みを進めた(本来の調査もちゃんとしてますよ。念のため。)すると、そういう状況になっているソヨゴを何本も見つけられた。
傷つけられた部分をガードする方法としてそうしているようにしか思えなかった。
植物の時間は動物の時間とはだいぶ違うとは思うが、「痛ったいなぁ。やめてくれよ!」と言って手で咄嗟に傷口を手で覆う仕草の一瞬に似て見えた。傷口にかさぶたができるイメージよりもそちらの方がしっくりとくる。
しかし、樹皮食いを受けているソヨゴのすべてがそういう状況になっているとは限らず、ただただ乾いた傷口を晒しているものもいた。そういった特性があるならどの個体もそうすればいいのにと思うが、そういうわけではないらしい。
さしずめ、痛さに敏感な奴とそうでもない奴、というところであろうか。
さて、あの細枝今後どうなるのだろうか。それがそのまま成長して太い枝になっているような樹形のものは見つけられなかった。
振り上げたその手、その後どうするの?

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