No.215 やはりツバメの「住宅難」!
2015年04月30日
姜 兆文
毎年5月の愛鳥週間の開始を前に、日本野鳥の会は「ツバメの巣を落とさず、見守ってほしい」と呼び掛ける。本ブログのNo.141で、2010年7月、南アルプスの芦安集落のバスターミナル(写真1)でツバメの家族と出会ったことを記事にした。そこには、親鳥が餌を運んでくると5羽のヒナが並んで大きくクチバシを開いて、幸せそうに受け取る光景があった(写真2)。2011年、巣は無残に撤去されていたことを確認した。その後、毎年バスターミナルを訪ねて、営巣位置を確認しているが、ツバメの巣はなくなっていた(写真3)。ツバメは同じ巣で繁殖する習性があるので、やはりツバメの「住宅難」を感じた!ツバメの巣が撤去された理由としては、建物の外観を保つため、お客さんに迷惑をかけないため、管理者がツバメ嫌いであるなどの可能性が挙げられる。どの理由にしても、都市と同様に集落の人間も自然の生き物から離れつつあるのは事実だと感じた。
生活スタイルも住居様式も大きく変わった現在、昔と全く同じようにツバメの住処を作ることは困難だろう。それでも人間とツバメが共存するために、ツバメが巣を作ることができて、なおかつ人間生活に悪影響がないような、アイデアのある建物を建設するという環境配慮のある開発が重要だと思う。そうすることで、ツバメに優しい生息環境になり、ツバメの個体数が回復して、生物多様性と健全な生態系を守ることにつながると思う。
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