No.95 カワウを訪ねて竹生島 (加藤 洋)
カワウを訪ねて竹生島 加藤 洋(WMO) かつて「深緑 竹生島の沈影」といわれた島。 滋賀県琵琶湖、ここにはカワウによって大きく変化していく島がある。 竹生島は、琵琶湖の北部に位置する周囲2km、面積0.14km2の島である。全島が花崗岩の一枚岩からなり、標高197.6mの急峻な地形をしている。この島には、歴史ある建物がいくつもある。島の斜面、勾配の急な165段の石階段の上に建造された宝厳寺は、神亀元年(724年)、聖武天皇により使わされた僧・行基により建立されたと言われる。都久夫須麻(つくぶすま)神…
No.95
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・カワウを訪ねて竹生島
・ナウシカの憂鬱、人類の優越
・カバの壁
・畑しごと
・兵庫県森林動物研究センター シンポジウム
-りぶ・らぶ・あにまるず シンポジウム2007-
『シカとイノシシの有効活用』参加報告
・WMO活動報告 2007年4月-6月
・お知らせ
No.94 2006年クマ大量出没が語るもの
2006年クマ大量出没が語るもの 片山 敦司(WMO) 2007年2月9日~11日、日本クマネットワーク(JBN)が主催する「緊急クマワークショップ」と「緊急クマシンポジウム」が東京で開催された。前者はJBN会員と行政担当者など、クマ問題の前線で格闘している人々が、2006年度のクマ大量出没の原因、対策、課題等を総括し、今後のクマ類の保護管理の方向性をJBNからの提言という形でまとめあげるというもの。後者は、一般向けのシンポジウムで、「人里に出没したクマをどうするのか?・人里に出没させないための方策は?-2006…
No.94
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・鳥獣保護事業計画の基本指針と地方環境事務所の強化
・2006年クマ大量出没が語るもの
・アライグマ五年生の勉強ノート
・タイワンジカの運命
・新人紹介
・WMO活動報告 2007年1月-3月
・お知らせ
No.93 イノシシの牙
イノシシの牙 岸本 真弓(WMO) 今年はイノシシ年。 いろいろなイノシシの年賀状をいただいた。かわいいイノシシ、リアルなイノシシ、勇ましいイノシシ。ブタとの違いは粗い毛と、鋭くむいた牙のようだ。それが一般の人が抱くイノシシの姿なんだろう。 だが、実際にはイノシシの牙はオスの成獣でしか目立たない(写真1,2)。それにサイの角のように前に突き出ているのではなく、後ろに湾曲している。正確に言うと、前に弧を描くように湾曲し、先端は斜め後ろを向いている。これは下の犬歯で、不思議なのは上の犬歯も同じようにカーブしていることだ…
No.93
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・2007年・年始のご挨拶
・イノシシの牙
・ミャンマーに生息するサル(マカク類)捕獲調査報告
・「ヒバの宿」
・アフリカ旅行記
・WMO活動報告 2006年10月-12月
No.92 秋の山、クマの暮らしを垣間みた
秋の山、クマの暮らしを垣間みた 瀧井 暁子(WMO) フィールドノートの原稿の締切りがとうに過ぎてしまった(編集者さん、ごめんなさい)。その頃、私はY県境付近の山の中でシカの糞塊調査を行っていた。 この調査は、単独で山の尾根を5~6km歩きながらシカの糞を記録するものである。登山道もあれば、道のまったくない尾根もある。調査範囲は、標高約900~2000mであり、スギ・ヒノキ・カラマツなどの植林地のほか、標高1600m付近まではブナ・ミズナラ林が多く、標高1600m以上は、主にコメツガ林となっている。…
No.92
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・ケニア滞在記
・秋の山、クマの暮らしを垣間みた
・霊長類学会に参加して
・日本哺乳類学会2006年度大会参加報告
・図書紹介「タンポポ タヌキ、もりのタネ。」
・WMO活動報告 2006年7月-9月
No.91
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・リセット
・仕事は野生を守ること
・六甲山復興の歴史
・アライグマ四年生の勉強ノート
・セネガル旅日記
・うんこのだし方、いかし方
・第17回国際クマ会議(IBA2006 Japan)開催迫る
・新人紹介
・WMO活動報告 2006年4月~6月
No.91 うんこのだし方、いかし方
うんこのだし方、いかし方 岸本 真弓(WMO) 昨年秋、例年通り訪れたのシカ糞塊密度調査対象地である福井県、兵庫県、滋賀県の山の実りは見事だった。標高の高いところでは、ブナ拾いに熱中した。しぶみやえぐみをとことん敬遠しているはずのヒトでさえ、おいしいと感じるブナの実を、山の動物たちが大好きなのは当たり前、私なんぞに拾われては怒るだろうなと、ちょっとビクビクしながら拾い集めた。一緒に調査に行ったY山さんは、果樹園状態のアケビを発見。私もおすそわけにあずかった。このおすそわけにヒトは舌鼓を打ったわけだが、タヌキは山の実…
No.90 続・仙台のニホンザル
続・仙台のニホンザル 清野 紘典(WMO) 2006年3月10日・11日、京都大学霊長類研究所において共同利用研究会「野生霊長類の保全生物学」と題した研究会が開催されました。学生時代に共同利用研究にお世話になっていたこともあり、研究発表を行いました。 発表の内容は、仙台市に生息する野生ニホンザル群の生態についてでしたが、今回そのすべてを紹介するには限りがありますので、『Field Note No.75』で森光(WMO)によって報告されている「仙台のニホンザル」(p7-11)の続編として、仙台のサルとそれらを取り巻…
No.90
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・本社移転の御報告
・続・仙台のニホンザル
・アメリカ研修報告
・新人紹介
・WMO活動報告2005年10月~12月
No.89 『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは?
『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは? ―クマの夏2005― 泉山 茂之(WMO) 毎年、夏は休む間もなくクマと向き合う日々が続く。北アルプス南部の上高地周辺では、ホテルや山小屋でのゴミ管理が行き届くようになり、生ゴミに餌付いて問題を起こすクマはほとんどいなくなった。 ところが、2002年頃から、遊歩道の周辺で日中からふらふら徘徊する仔グマが話題になり始めた。親グマから離れて間もない仔グマが連日目撃され、観光客からは携帯シャッターの嵐で、人気の的だったそうだ。 確かに、仔グマはかわいいかも知れない。このよう…
No.89
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・熊のタナが消えた
・『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは?-クマの夏2005-
・アカシアの樹の下で
・足澤さんの訃報に接して
・足澤貞成さんをしのんで
・「心の進化を研究したいんだ」追悼足澤貞成さん
・足澤さんとの思い出
・「酒を愛せ・・・・・」
・カリブ-と出会ったアラスカの旅
WMO活動報告2005年10月~12月 / 図書紹介
No.88
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・下北にて(9)
・ミバエ撲滅キャンペーンに学ぶ外来種対策
・庭のカマキリをみて生物多様性を感じる
・IMC9参加報告
・第9回国際哺乳類学会(IMC-9)参加報告
タヌキのため糞調査結果を発表しました
・日本霊長類学会大会参加報告
・ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・
WMO活動報告2005年7月~9月 / お知らせ
No.88 ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・
ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・ 横山 典子(WMO) 暑さ、寒さも彼岸までといわれますが、すっかり涼しくなり、秋らしくなってきました。 先日、どこかに出かける途中でヒガンバナを見ました。黄金色に輝く田んぼを赤く縁取っているかのようにヒガンバナが群生している風景に、日本人の色使いのセンスの良さに感じ入り、本当に日本って美しい国なんだとガラにもなくしみじみとした気持ちでしばらく眺めていました。その時に、昔読んだ本の中にヒガンバナは自生しているのではなく、植えられたもので、田んぼの畦にモグラやネズミの侵入を…
No.87 エキゾチックアニマルに思う
エキゾチックアニマルに思う 名矢 結香(WMO) エキゾチックアニマルという言葉をご存知でしょうか。厳密な定義はないようですが、実際にはイヌ・ネコ以外の伴侶動物を指します。ここには哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、そして魚類や昆虫を含むこともあります。 最近はペットショップに行くと、驚くほどたくさんの種類の外国産の動物?エキゾチックアニマルを見ることができます。またインターネットで手軽に購入することもでき、輸入を代行してくれる業者などもあるようです。 財務省貿易月表によると、2004年には哺乳類は…
No.87
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・現代の閉塞感
・下北にて(8)
・アライグマ三年生のノート
・エキゾチックアニマルに思う
・房総半島のキョン
・子ジカの季節
WMO活動報告2005年4月~6月 / 表紙の絵 / 図書紹介 / お知らせ
No.86
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・下北にて(7)
・和歌山県田辺市におけるアライグマ対策(報告書の紹介)
・ついにとらえた、餌とりの瞬間!
・あるメスジカの移動~丹沢山麓にて
・日本動物心理学会・応用動物行動学会共催シンポジウム
・新人紹介
WMO活動報告2005年1月~3月/表紙の絵 / お知らせ / 図書紹介
No.85 サルの「川干し」
サルの「川干し」 泉山 茂之(WMO) 信州の伊那谷では、サルの「川干し」の話しを、幾度となく聞きました。サルの「川干し」とは、サルたちが渓流の石を積んで、水の流れを変えて川を干す、 という仕事のことを云います。サルたちは、干した河原に残された魚などを獲ることができます。サルたちが、ほんとうに川魚を食べるかどうかは別にしても、 そんな光景を一度は見てみたいものだと、私は想っていました。 サルたちの生き方は、「自分のことは、自分が責任を持つ」、ということが基本です。自身が得た食料は、母ザルさえ…