WMO.club

No.93 イノシシの牙

2007年01月発行

イノシシの牙 岸本 真弓(WMO) 今年はイノシシ年。 いろいろなイノシシの年賀状をいただいた。かわいいイノシシ、リアルなイノシシ、勇ましいイノシシ。ブタとの違いは粗い毛と、鋭くむいた牙のようだ。それが一般の人が抱くイノシシの姿なんだろう。 だが、実際にはイノシシの牙はオスの成獣でしか目立たない(写真1,2)。それにサイの角のように前に突き出ているのではなく、後ろに湾曲している。正確に言うと、前に弧を描くように湾曲し、先端は斜め後ろを向いている。これは下の犬歯で、不思議なのは上の犬歯も同じようにカーブしていることだ…

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No.93

2007年01月発行

・2007年・年始のご挨拶
・イノシシの牙
・ミャンマーに生息するサル(マカク類)捕獲調査報告
・「ヒバの宿」
・アフリカ旅行記
・WMO活動報告 2006年10月-12月

No.92 秋の山、クマの暮らしを垣間みた

2006年10月発行

秋の山、クマの暮らしを垣間みた 瀧井 暁子(WMO)    フィールドノートの原稿の締切りがとうに過ぎてしまった(編集者さん、ごめんなさい)。その頃、私はY県境付近の山の中でシカの糞塊調査を行っていた。 この調査は、単独で山の尾根を5~6km歩きながらシカの糞を記録するものである。登山道もあれば、道のまったくない尾根もある。調査範囲は、標高約900~2000mであり、スギ・ヒノキ・カラマツなどの植林地のほか、標高1600m付近まではブナ・ミズナラ林が多く、標高1600m以上は、主にコメツガ林となっている。…

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No.92

2006年10月発行

・ケニア滞在記
・秋の山、クマの暮らしを垣間みた
・霊長類学会に参加して
・日本哺乳類学会2006年度大会参加報告
・図書紹介「タンポポ タヌキ、もりのタネ。」
・WMO活動報告 2006年7月-9月

No.91

2006年07月発行

・リセット
・仕事は野生を守ること
・六甲山復興の歴史
・アライグマ四年生の勉強ノート
・セネガル旅日記
・うんこのだし方、いかし方
・第17回国際クマ会議(IBA2006 Japan)開催迫る
・新人紹介
・WMO活動報告 2006年4月~6月

No.91 うんこのだし方、いかし方

2006年07月発行

うんこのだし方、いかし方 岸本 真弓(WMO) 昨年秋、例年通り訪れたのシカ糞塊密度調査対象地である福井県、兵庫県、滋賀県の山の実りは見事だった。標高の高いところでは、ブナ拾いに熱中した。しぶみやえぐみをとことん敬遠しているはずのヒトでさえ、おいしいと感じるブナの実を、山の動物たちが大好きなのは当たり前、私なんぞに拾われては怒るだろうなと、ちょっとビクビクしながら拾い集めた。一緒に調査に行ったY山さんは、果樹園状態のアケビを発見。私もおすそわけにあずかった。このおすそわけにヒトは舌鼓を打ったわけだが、タヌキは山の実…

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No.90 続・仙台のニホンザル

2006年04月発行

 続・仙台のニホンザル 清野 紘典(WMO) 2006年3月10日・11日、京都大学霊長類研究所において共同利用研究会「野生霊長類の保全生物学」と題した研究会が開催されました。学生時代に共同利用研究にお世話になっていたこともあり、研究発表を行いました。 発表の内容は、仙台市に生息する野生ニホンザル群の生態についてでしたが、今回そのすべてを紹介するには限りがありますので、『Field Note No.75』で森光(WMO)によって報告されている「仙台のニホンザル」(p7-11)の続編として、仙台のサルとそれらを取り巻…

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No.90

2006年04月発行

・本社移転の御報告
・続・仙台のニホンザル
・アメリカ研修報告
・新人紹介
・WMO活動報告2005年10月~12月

No.89 『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは?

2006年01月発行

『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは? ―クマの夏2005― 泉山 茂之(WMO) 毎年、夏は休む間もなくクマと向き合う日々が続く。北アルプス南部の上高地周辺では、ホテルや山小屋でのゴミ管理が行き届くようになり、生ゴミに餌付いて問題を起こすクマはほとんどいなくなった。 ところが、2002年頃から、遊歩道の周辺で日中からふらふら徘徊する仔グマが話題になり始めた。親グマから離れて間もない仔グマが連日目撃され、観光客からは携帯シャッターの嵐で、人気の的だったそうだ。 確かに、仔グマはかわいいかも知れない。このよう…

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No.89

2006年01月発行

・熊のタナが消えた
・『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは?-クマの夏2005-
・アカシアの樹の下で
・足澤さんの訃報に接して
・足澤貞成さんをしのんで
・「心の進化を研究したいんだ」追悼足澤貞成さん
・足澤さんとの思い出
・「酒を愛せ・・・・・」
・カリブ-と出会ったアラスカの旅
WMO活動報告2005年10月~12月 /  図書紹介

No.88

2005年10月発行

・下北にて(9)
・ミバエ撲滅キャンペーンに学ぶ外来種対策
・庭のカマキリをみて生物多様性を感じる
・IMC9参加報告
・第9回国際哺乳類学会(IMC-9)参加報告
タヌキのため糞調査結果を発表しました
・日本霊長類学会大会参加報告
・ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・
WMO活動報告2005年7月~9月 / お知らせ

No.88 ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・

2005年10月発行

ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・ 横山 典子(WMO)   暑さ、寒さも彼岸までといわれますが、すっかり涼しくなり、秋らしくなってきました。 先日、どこかに出かける途中でヒガンバナを見ました。黄金色に輝く田んぼを赤く縁取っているかのようにヒガンバナが群生している風景に、日本人の色使いのセンスの良さに感じ入り、本当に日本って美しい国なんだとガラにもなくしみじみとした気持ちでしばらく眺めていました。その時に、昔読んだ本の中にヒガンバナは自生しているのではなく、植えられたもので、田んぼの畦にモグラやネズミの侵入を…

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No.87 エキゾチックアニマルに思う

2005年07月発行

エキゾチックアニマルに思う 名矢 結香(WMO)     エキゾチックアニマルという言葉をご存知でしょうか。厳密な定義はないようですが、実際にはイヌ・ネコ以外の伴侶動物を指します。ここには哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、そして魚類や昆虫を含むこともあります。   最近はペットショップに行くと、驚くほどたくさんの種類の外国産の動物?エキゾチックアニマルを見ることができます。またインターネットで手軽に購入することもでき、輸入を代行してくれる業者などもあるようです。 財務省貿易月表によると、2004年には哺乳類は…

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No.87

2005年07月発行

・現代の閉塞感
・下北にて(8)
・アライグマ三年生のノート
・エキゾチックアニマルに思う
・房総半島のキョン
・子ジカの季節
WMO活動報告2005年4月~6月 / 表紙の絵 / 図書紹介 / お知らせ

No.86

2005年04月発行

・下北にて(7)
・和歌山県田辺市におけるアライグマ対策(報告書の紹介)
・ついにとらえた、餌とりの瞬間!
・あるメスジカの移動~丹沢山麓にて
・日本動物心理学会・応用動物行動学会共催シンポジウム
・新人紹介
WMO活動報告2005年1月~3月/表紙の絵 / お知らせ / 図書紹介

No.85 サルの「川干し」

2005年01月発行

サルの「川干し」 泉山 茂之(WMO)        信州の伊那谷では、サルの「川干し」の話しを、幾度となく聞きました。サルの「川干し」とは、サルたちが渓流の石を積んで、水の流れを変えて川を干す、 という仕事のことを云います。サルたちは、干した河原に残された魚などを獲ることができます。サルたちが、ほんとうに川魚を食べるかどうかは別にしても、 そんな光景を一度は見てみたいものだと、私は想っていました。 サルたちの生き方は、「自分のことは、自分が責任を持つ」、ということが基本です。自身が得た食料は、母ザルさえ…

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No.85

2005年01月発行

・新年の挨拶
・下北にて(6)
・自動撮影コレクション
・2004年クマ騒動の中の錯誤捕獲-対応状況と課題
・サルの「川干し」
・集まるシカたち
・生態ネットワークとその計画手法
WMO活動報告2004年10月~12月 / 表紙の絵

No.84 彩りの秋、サルの顔色をうかがう

2004年10月発行

けものけのなか 彩りの秋、サルの顔色をうかがう   岸本 真弓(WMO) 台風18号の暴風と塩害で今年は紅葉を楽しめない地域が多いそうだ.WMO関西分室の周りも例外ではない.ただ関西分室は神戸市にあるとはいえ,裏六甲に位置し,南風は標高約1000mある六甲山塊に遮られて被害はかなり免れた.表六甲や淡路島の山々では,斜面の向きを,風の当たり具合を版にとられたかのように赤褐色に染められている.さしずめスギ・ヒノキたち針葉樹は凹面か. ひと秋紅葉を楽しめないことくらいは我慢できるが,秋の実りに頼る動物たちのことが心配だ.…

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No.84

2004年10月発行

・政治的混乱と野生動物行政の失速
・下北にて(5)
・書評
・彩りの秋、サルの顔色をうかがう
・標高3,000mに迫るシカ
・夜のドライブひとりごと
・第51回日本生態学会参加報告
~シンポジウム:北川で得られた河川生態学術研究の成果~
・日本生態学会参加報告
WMO活動報告2004年7月~9月 / 表紙の絵お知らせ

No.83

2004年07月発行

・神奈川県アライグマ問題解決のための民間団体設立について
・アライグマ二年生の勉強ノート
・下北にて(4)
・DeepBlue
・赤ん坊ザルは母ザルが迎えに来ます
・サルと出会ったカモシカ?カモシカと出会ったサル?
・安いGISソフトはないですか?
・虫眼鏡から双眼鏡へ
WMO活動報告2004年4月~6月/ 表 紙の絵/ お知らせ

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