研究員によるフォトブログ

Field Note 公開記事

No.131 拾う、残す、利用する~私の有効活用法~

2016年07月発行

拾う、残す、利用する ~私の有効活用法~ 檀上 理沙(WMO)   最近は狩猟や有害捕獲によって捕殺したシカやイノシシを食肉として有効活用するため、飲食店でジビエ料理の提供を行ったり、加工品を販売したりと、鳥獣被害対策や地域活性化に貢献する取り組みが積極的に行われ、各地で定着してきている。私自身も、料理はあまり得意でないがシカやイノシシを自分で調理して食べ、サルやアナグマを入手した際は職員同士で試食会をしたことがある(写真1)。食肉として有効活用するためには、衛生的に処理されていることが大前提である。一方…

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No.130 「狩りガール」~葛藤の日々~

2016年04月発行

「狩りガール」~葛藤の日々~ 関 香菜子(WMO) この雑誌を手に取った皆様は、「狩りガール」という言葉を、これまでに何度も耳にされていることと思います。狩猟免許を取得して、ハンターの世界に飛び込んだ女性達のことを指します。環境省の報告によると、狩猟免許の所持者は昭和50年で約51万8千人でしたが、平成25年度には約18万5千人と半減している中、女性だけでみると、平成8年度の1,107人から平成25年度には2,636人に倍増しています。近年、女性ハンターがメディアで取り上げられる機会も増えるなど、ひそかな盛り上がり…

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No.129 アジア大陸と日本列島をつなぐ対馬

2016年01月発行

アジア大陸と日本列島をつなぐ対馬 山元 得江(WMO) ◆対馬というところ 対馬は、九州と韓国の間にある面積約696km2の島で、長崎県に属している。対馬-福岡間の距離は航路で約132km、対馬-韓国間の距離は約49.5kmであるため、実は対馬は福岡よりも韓国の方が近い。対馬の最北端の展望台では天気が良ければ韓国が見え、韓国からの観光客も多いため道路のほとんどの看板にはハングル文字が併記されている。また、過去には遣隋使や元寇、近代の戦争などで幾度ともなく要所となってきたことからも分かるように、対馬は大陸と日本を繋ぐ…

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No.128 IWMC関連シンポジウム「クマ類の安全な捕獲処理と捕獲処理技術・個体管理の最適化向けて」報告

2015年10月発行

IWMC関連シンポジウム 「クマ類の安全な捕獲処理と捕獲処理技術・個体管理の最適化向けて」報告 岸本 真弓(WMO)  今でもよく思い出す。あれは2002年のことだったか?  日が傾き始めた農地の横で、クマを放すなんてとんでもないと怒り口調で詰め寄る男性に、片山君は反論することもなく、静かに話を聞く。ひとしきり話した男性のトーンが少しさがったところで、片山君は「安全に作業を行います」と言う。そして作業は続けられた。  今はもう私たちが住民の方の抗議の矢面に立つことはない。 各担当の行政の方々が説明にあたってくださり…

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No.127 見えるって、素晴らしい カワウ目線で考えるニホンザルの保護管理~分裂するものたちへの挑戦~

2015年07月発行

見えるって、素晴らしい カワウ目線で考えるニホンザルの保護管理 ~分裂するものたちへの挑戦~ 加藤 洋 (WMO) 1.カワウの保護管理の特徴  他の野生鳥獣と違い、カワウ(鳥類)の保護管理に特に欠かせない事は、「広域的な視点」である。カワウは、河川や湖沼等の内水面だけでなく、海水面等の水面を広く利用している。また、ねぐら(※1)として利用する場所は、人間の生活圏に深く入り込んでいる事が少なくなく、都市部を流れる河川の河畔林や湖沼、住宅地に囲まれた都市公園やゴルフ場といった、人の生活圏と近接した環境を利用している。…

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No.126 お元気ですか

2015年04月発行

お元気ですか (株)野生動物保護管理事務所 代表 羽澄 俊裕  これは私が(株)野生動物保護管理事務所(WMO)の代表として書きあげる最後の原稿となります。私はこの4月で60歳になりましたので、当初予定どおりWMOの代表職を引退いたします。28歳の時にWMOを始めましたので、いつの間にか32年も経てしまいました。長きにわたり御支援をいただきましたことを、深くお礼申し上げます。  1983年(昭和58年)に初代代表の東英生の自宅で看板をあげて以来、このささやかな機関誌を通して、野生動物を護るということを考え、主張して…

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No.126 代表交代にあたって

2015年04月発行

代表交代にあたって (株)野生動物保護管理事務所 濱﨑 伸一郎 羽澄俊裕氏の代表取締役退任に伴い、新たにWMOの舵取り役を任されることになりました。前代表在任時と同様にご指導とご支援のほどお願いいたします。 羽澄さんは1983年に東英生さん(初代代表)とともにWMOを創立されて以来、Wildlife Managementのシステムを社会に根づかせることを目標として長年にわたって力を注がれるとともに、WMOをここまで牽引してこられました。今でこそ野生動物管理という言葉は普通に使われ、法律にも記載されるほど社会に定着し…

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No.125 日本哺乳類学会2014年度大会に参加して~かわいそう、かわいいって難しい~

2015年01月発行

日本哺乳類学会2014年度大会に参加して~かわいそう、かわいいって難しい~ 溝井 彩(WMO) 昨年の哺乳類学会もまた様々な演題が並び、どの講演に行こうか頭を悩ませる、充実した数日間でした。中でも特に印象的だったのが、静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターの方々が発表された、硝酸塩を使用したシカの捕獲試験に関してのシンポジウムでした。硝酸塩入りの餌を食べさせ、酸欠状態を起こし死に至らせる方法です。反芻動物以外に影響はないとして、今後のシカ対策の一手として期待されており、ニュースにも取り上げられました。しかし、イン…

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No.124 時には昔の話を~国立科学博物館 太古の哺乳類展 に行ってきました~

2014年10月発行

時には昔の話を ~国立科学博物館 太古の哺乳類展 に行ってきました~ 星野 莉紗(WMO) 2014年の7月12日から10月5日まで、国立科学博物館で「太古の哺乳類展‐日本の化石でたどる進化と絶滅‐」という特別展が開催された。最終日、滑り込みで訪れる事が出来たので、簡単にレポートしたい。 この展示の特徴は、副題にあるとおり、日本国内で出土した化石が展示されている標本の多くを占めている事だが(参考として海外で出土した化石も展示されていた)、もうひとつ、タイプ標本が多く展示されている事も挙げられる。タイプ標本とは、ある…

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No.123 ニホンザル追い払い事業を終えて

2014年07月発行

ニホンザル追い払い事業を終えて 稲葉 史晃   2013年4月、京都で行われているサルの追払い事業に参加した私は初めて野生動物の調査という世界へ足を踏み入れた。大学で水産学を学んでいた私にとってサルの知識はもちろんの事、獣害の現状など知る由も無く、さすがにこんな住宅街までサルが出るわけがないと思っていた。しかしそんな甘い考えは初日で覆される事となった。 インターネットや新聞等では獣害の現実、原因が報告されているが文面でしか知らなかった。しかし実際にその地域に移住し現実を目の当たりに出来たことは非常に良い経…

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No.122 シカ飼育日誌~かわいいベイビー、ハイハイ♪~

2014年04月発行

シカ飼育日誌 ~かわいいベイビー、ハイハイ♪~ 檀上 理沙(WMO) 3月下旬から急激に暖かくなり、春の訪れを感じますね。『春』といえば、多くの動物たちの出産シーズンです。この季節に動物園などへ赴けば、動物好きの方もそれほどでもない方もかわいいベイビーたちを眺めながら自然と顔をほころばせています。私も早くベイビーたちを眺めて、ニヤニヤしたいと思う今日この頃です。 ニホンジカ(Cervus nippon、以下シカ)では5月下旬から7月上旬に分娩を迎えます。今回は、私が飼育していたシカの分娩について、当時の飼育日誌とビ…

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No.121 カモシカの生活

2014年01月発行

カモシカの生活 山田 雄作(WMO)  ニホンカモシカ (以下、カモシカとする) は日本の特別天然記念物に指定されている大型の哺乳類である。近年、カモシカを取り巻く状況は大きく変化している。 はじめに  カモシカはどんな動物か、シカほどすぐにイメージができる人も少ないのではないだろうか。実際に、その生活やおかれている状況について分かっていない点は多い。これまでカモシカの研究は1980年代から1990 年代にかけて盛んに行われたが、それ以降あまり行われておらず、カモシカに関する調査研究が下火になっているのである。しか…

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No.120 白いヒグマプロジェクト 2012年択捉島のヒグマ調査に参加して

2013年10月発行

白いヒグマプロジェクト 2012年択捉島のヒグマ調査に参加して 伊藤 哲治(WMO)   国後島および択捉島は、北海道の北東に位置する島々であり、各島でヒグマUrsus arctosが約300頭、約650頭 (約5~10km2当り1頭)分布すると推定されています。 2012年8月24日〜9月10日、北海道の北東に位置する択捉島に専門家交流グループのヒグマ班の一員として、調査に参加させていただきました。 この調査は、2009-2010年に国後島でおこなわれた“白いヒグマプロジェクト”の継続調査として行われま…

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No.119 交雑種が外来生物法の対象に(千葉アカゲザル問題を中心に)

2013年07月発行

交雑種が外来生物法の対象に(千葉アカゲザル問題を中心に) 白井  啓(WMO) 2013年、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下、「外来生物法」とする)による規制の対象を、交雑種にも広げることになった(朝日新聞2013年3月30日付け記事参照)。2005年に外来生物法が施行されて8年目のことである。これまで交雑個体は、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」で扱われてきた。 このことで、WMOが取り組んでいる和歌山のタイワンザル問題、千葉のアカゲザル問題においても(白井2…

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No.118 「Wildlife management」は「野生動物の管理」か?

2013年04月発行

「Wildlife management」 は「野生動物の管理」か? 羽澄 俊裕(WMO) Wildlife management の訳語として野生動物の「保護管理」という用語が使われてからずいぶん時間がたちました。1999年、環境省の所管する鳥獣保護法の改訂によって新設された制度が「特定鳥獣保護管理計画制度」と称された段階で、公式に認知された用語ともなりました。そしてなによりこの私は、1983年のWMO創業時に、いつまでもその目的を忘れないよう「野生動物保護管理」の文字を社名に取り込み、おかげでいろいろな書類の上…

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No.117 森林・林業再生プラン ~これからの林業界に改革は起きるか~

2013年01月発行

森林・林業再生プラン ~これからの林業界に改革は起きるか~   湯浅 卓(WMO) <はじめに>  森林・林業再生プラン(以下、再生プランと呼ぶ)という言葉を耳にしたことはあるだろうか?ここ数年、時折耳にするようになったが、その内容は「林業を再活性化させる計画が作成されたらしい」とか、「木材自給率50%を目指すらしい」とか、「これから日本各地で大規模な森林伐採が始まるらしい」や、「森林伐採によってさらにシカが増えるんじゃないか?」といったものであり、全容は知らぬまま漠然とした不安を感じるものであった。 また、「伐れ…

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No.116 海外研修報告~IWMC2012に参加して~

2012年10月発行

海外研修報告 ~IWMC2012に参加して~ 金子 文大(WMO) 2012年度の海外研修として、2012年7月9~12日の期間、南アフリカ共和国ダーバンのインターナショナルコンベンションセンター (ICC) で開催された第4回International Wildlife Management Congress 2012 (IWMC2012) に参加した (写真1)。 7月7日、成田空港22時発ドバイ行きの飛行機に搭乗するため、夕方17時頃に自宅を出た。まだ発表準備は完成していないが残りは現地に到着してから仕上げる…

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No.115 九州にツキノワグマは生息するか -JBNの調査に参加して-

2012年07月発行

九州にツキノワグマは生息するか -JBNの調査に参加して-   中川 恒祐(WMO) 6/8~6/10にかけて、日本クマネットワーク(JBN)が九州の祖母・傾山山系においてツキノワグマの生息調査を実施した。本調査は研究者や一般の方、学生などを含むJBN会員と地元の猟友会員ら約40名によって実施され、私もJBN会員として参加した。九州のツキノワグマは絶滅したといわれているが、近年になっても目撃証言が絶えず、昨年10月にも登山者によるクマの目撃情報が寄せられていた。こうした経緯もあり、JBNとして九州におけるツキノワグ…

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No.114 広域を移動するシカ

2012年04月発行

広域を移動するシカ   濱崎 伸一郎(WMO)     ニホンジカCervus nippon(以下、シカと称す)の分布拡大と生息密度の上昇による農林業被害の増加に依然として収束の兆候が見られないなか、高山・亜高山帯など非常に自然度の高い地域における自然植生への影響が拡大している。知床半島、屋久島といった世界自然遺産指定地域をはじめ、尾瀬、日光連山、関東山地、南アルプス、剣山、霧島山地など我が国の著名な山岳地帯を含む国立・国定公園指定地域など、その影響は全国的な広がりを見せている。また、…

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No.113 ニホンザルの群れ生息分布推定法の開発

2012年01月発行

ニホンザルの群れ生息分布推定法の開発 清野 紘典・岡野 美佐夫・岸本 真弓(WMO) コストパフォーマンスが良いサル生息調査方法があれば・・ ニホンザルの保護管理計画を策定するにあたり、群れの生息状況は基礎的な情報として必要である。特定計画のモニタリング調査として過去に実施されてきた生息分布調査は、主にアンケート方式によってメッシュ図等で地域的な生息分布を把握する方法、あるいはサルを生体捕獲し、ラジオテレメトリー法によって群れ別に行動圏を明らかにして群れの分布を図化する方法である。前者は、簡便であるが群れ別の行動圏…

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