研究員によるフォトブログ

No.260 台風ニモマケズ

2016年09月05日

難波 有希子 台風9号が関東で猛威を振るう最中のサルたち(写真)。 暴風暴雨の激しい音のせいで群れ内のボーカルコミュニケーションは機能していないのではないかと推測する中、サルたちは見たところ普段通りに採食し、遊び、喧嘩し。 群れがバラけたり、はぐれたりすることもなく、移動する時もみんな一緒。 やっぱり家族の間には言葉以上のなにか強い繋がりがあるのかしら…なんて。 20160905_taifu02.jpg

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No.259 道草

2016年08月30日

横山 典子 毎日暑いですね。 人にとっては、猛暑でつらい季節でも、植物にとっては一番成長が盛んな季節で、植物が活き活きする季節です。 その植物を食べるシカにとっても、たくさんの美味しい植物が食べられる季節でもあります。 この季節に車を走らせると、道の脇で草を食べにシカがたくさん出ているのをよく見かけます。 この季節のシカは夏毛で、夏毛のオレンジ色と草の緑とのコントラストがとてもきれいで、つい見とれてしまいます。 この季節は少し車の速度を緩めて、周りを見て下さい。きれいなシカ達が出ているかもしれませんよ。 20160…

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No.258 ほうき草

2016年08月18日

難波 有希子 野外調査中に畑の脇で見つけたモコモコの集団。 小さいトトロが今にも走り抜けていきそうな世界を連想させ、あまりにも可愛かったので激写した。 箒木(ホウキギ)またはほうき草。 名前の通り昔はこれを乾燥させて束ね、箒として使っていたそうです。 秋になると真っ赤になるのが、今から楽しみです。 20160818_houki02.jpg

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No.257 三角点探訪~番外編~ 恩賜林界標

2016年08月08日

岸本 真弓 山の中で変わった標柱を見つけた。柱の側面にの旧字体なのか「恩」という字が読める。場所は山梨県、もしやこれは恩賜林の標柱? 会社に戻りインターネットを繰るとでてきた。恩賜林の境界測量で設置されたのがこの標柱のようだ。 皇室の所有地(御料地)を管理するため1885年(明治18年)に宮内省に設置された「御料局(御枡局)」の設置した三角点は御枡局三角點と言われることを前に紹介した。 江戸時代、山は村落が管理していたが、明治になりほとんどの山は国のものとなった。その後政治的な理由により山林は皇室財産である御料林と…

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No.256 衣替え

2016年08月05日

難波 有希子 初夏。ニホンザルの衣替えが始まる。 写真のように頭頂部から始まるので、この時期になるとみんなボサボサ頭。 この生え変わった毛は冬まで伸び続け、冬には立派なコートになるのです。 私のクローゼットの中もそろそろ…。 20160805_koromo02.jpg

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No.255 森の賢者

2016年08月01日

清野 紘典 微動だにせず、じっと見つめられると、存在感に圧倒され、その世界に吸い込まれてしまいそうです。 フクロウ。 獲物を捕まえるための丸く平たい顔の集音装置と精密で奇妙な首の動き、長い時間同じ姿勢を保つ骨格筋、鋭いアーム。 進化のなかで身につけた特殊な機能をもつ賢者が、今日もひっそりと森で暮らしています。 (注。写真は飼育個体です) 20160801_kennja02.png

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No.254 真田丸

2016年07月28日

岸本 真弓 シカやイノシシを捕獲するために設置したククリワナに誤ってクマが捕獲されてしまうことがある。本来の目的でない動物が捕獲された場合には、速やかにワナから解除し、放獣しなくてはならない。 しかし、クマは危険な動物である。そのため麻酔薬を投与した上でのワナからの解放および安全な地での放獣が必要となる。 一方、ククリワナにかかったクマは必死である。多くの個体が夜に移動していてうっかり捕まってしまうのだろう。空が白んでくるにつれ焦りとパニックは最高潮となる。なんとかして逃れようと必死に土を掻き続ける個体がいる。 写…

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No.253 三角点探訪~番外編~御枡局三角點

2016年07月25日

岸本 真弓 愛知県に調査に行った時のこと。 山頂でも尾根筋でもないところ、古い人道の脇に三角点らしきものを見つけた。刻印の字は明瞭であり、左列は三角點(てん:点の異体字)と読み取れたが、右列の「御枡局」の読み方がわからない。 写真に納めて、後日調べた。 「御枡局」は「御料局」のことであり、皇室の所有地(御料地)を管理するため1885年(明治18年)に宮内省に設置された部署であることがわかった。御料地の測量のために御料局が設置したのが御料局三角点であり、1908年(明治41年)に御料局が帝室林野管理局と改称された後に…

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No.252 赤も青も注意

2016年07月22日

岸本 真弓 これまでに3度出会った。同じところで。 日本海側中国地方のある県で、青いヤマカガシに出会う。初めて見つけた時はびっくりした。模様はヤマカガシだが、色があきらかに認識と異なった。持ち帰って一緒だった両生爬虫類に詳しい調査仲間に見せたところ、変異色だと教えられ、蛇の専門家にお譲りしようということになった。 初めての個体と2012年の2度目の個体(写真1)はDOR、車にひかれたぺちゃんこの個体だった。3度目は2014年10月、生きている個体(写真2)。動画の撮影にも成功した。 ヤマカガシは色の変異が大きいらし…

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No.251 みんな友達

2016年07月20日

岸本 真弓 調査地に向かって車を走らせていると、刈り取られた田んぼが賑わっていた。近づくとさまざまなオブジェが飾ってある。近年全国各地で見ることのできる『案山子祭り』だった。地域のお祭りを模したものや、何気ない日常を切り取ったもの(写真1)。多くの力作が展示されていた。その中にあった「みんな友達」。 この地ではクマは絶滅している。少し離れたところにほんのわずかな個体が生息しているにすぎない。その現実がこの案山子を作らせたのか。悲しくもあり、嬉しくもある。 20160720_tomodachi04.jpg

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No.250 全部苦かった

2016年07月10日

海老原 寛 シカが林業に与える影響のひとつに、樹皮剥ぎがある。材として育てているスギやヒノキの樹皮を剥いで、価値を落としてしまう被害である。これは各地で多く見られてはいるが、シカの密度は同じでも、樹皮剥ぎがされている地域とされていない地域があるように思う。これにはシカの密度だけではなく、利用可能な資源量も関わっていると考えられるが、一種の文化のようなものもあるのかなと考えている。また、樹皮剥ぎがよくされている地域でも、されている木とされていない木が混在しているように思う。樹皮の剥ぎやすさなのか、おいしい木があるのか…

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No.249 ピットフォールトラップ

2016年07月09日

岸本 真弓  ずっと若かった頃、ピットフォールトラップでタヌキの食物となる地上徘徊性甲虫層の調査をしたことがある。  ある年の冬、シカの調査で近畿地方の山を歩いていると、足下に糞虫の死体らしき個体が多数ころがっていた(写真1)。どうしたのだろうとしばらく写真など撮っていたが、ふと前方に目をやると、目の前にあるものと同じものがある。そう、倒れたプラスチック杭だ。そちらの杭の周りにも多数の糞虫の死体(?)がある(写真2)。ふと地面に残る杭の中をのぞく。中にあるものを溜まった水の中から掻き出す。測ってみたら深さが44cm…

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No.248 小さな力が集まれば

2016年07月02日

海老原 寛 テントウムシは小物のデザインなどにもよく用いられ、かわいい印象があるのではないだろうか。しかし、私はテントウムシに襲われたことがある。ある年の10月、サルのテレメトリ調査のためにアンテナを振ろうと車から外に出たところ、多数のテントウムシが飛び交い、絶え間なく顔に、体にぶつかってきた。急いでアンテナを振り、車内に逃げた。ふと目の前にあった電柱を見てみると、下から上まで信じられない数のナミテントウが集合していた。その数は1万程度ではないかと思われる。冬眠の準備をしようと集まっていたのだろうか。原因はわからな…

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No.247 毒肉強食

2016年06月19日

岸本 真弓 四国のある県でのこと。調査を終えて集合しようとしていると、仲間がなにやら夢中になっている(写真1)。 近づき、説明を受けながら目をこらし、焦点を合わせるとなんと! 蛇が蛇を食べていた(写真2)。よく見れば食べられている個体はマムシの幼蛇である。一方、上半身(? 地面から直立する前1/20身)をえづかせながら丸飲みしていくのはシマヘビ。 大きさが雲泥の差とは言え、マムシは本州最強の毒蛇。どうして勝てないのか。鼠でも追いつめられたら猫を咬むというのに。上あごとか下顎とか、口に挟まれた絶対絶命状態で舌に噛みつ…

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No.246 負けるもんか

2016年06月14日

海老原 寛 全国でシカが増加し、植生の衰退が生じている。その現象の1つとして植物の矮性化があり、シカの影響評価の指標として用いられている。ある地域で見つけたイヌツゲは矮小化の程度が激しく、本当に小さな葉をつけていた。それだけシカの影響が大きいということが読み取れる。しかしそれは、シカを主役に物事を見てしまうからこその視点に他ならない。このイヌツゲは、どんなに繰り返し食べられてもどんなに矮小化されようとも、懸命に生きている。植物を主役にしてみると、生きる執念のようなものが感じられ、尊敬と共に応援をしたくなるのである。…

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No.245 やりこみ要素

2016年06月10日

宇野 浩史 アンテナや受信機、コンパスを駆使してサル群の位置を特定するロケーションは、まるで宝探しゲームのようだ。アンテナを振って発信音が最も強く聞こえる方向に群れがいるという原理は、割と単純に感じるかもしれない。しかし、地形によって電波の入り方が異なったり、電気柵のような発信器に似た紛らわしい電波があったり、はたまたサルを気にしつつ狭い道を駆け抜ける運転技術が必要だったりと、決して簡単なものではない。 このような中、電波の元である発信器の装着された個体を発見することは、このゲームにおけるちょっとしたやりこみ要素だ…

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No.244 野生動物とのつきあい方

2016年06月06日

岸本 真弓  川沿いの道を車で走っていると、川の中と岸にシカがいた。川岸でのんびり草を食んでいたシカも私たちの車が近づくと面倒臭そうに川底に降り、母子3頭とぼとぼと歩きだした。 いったん車の進行方向を確認し、そろりと車を前に出すと・・・ 母子が振り返った、排尿しながら。。。 なんと緊張感のない姿。いったいどういうつきあいが続くと人間とシカはこのような関係になるのだろうか。  これから30年ほどの間に日本人と日本の野生動物との関係は激変するだろう。今は野生動物を殺し、奥山に閉じ込めようと人間は躍起になっている。しかし…

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No.243 ミイラ!?

2016年06月03日

檀上 理沙 昨年春の糞塊密度調査で出会った不思議なもの。ミイラ化したような動物の死体(写真1)。 ミイラとは人為的加工ないし自然条件によって乾燥され、長期間原型を留めている死体のこと(ウィキペディアから引用)を指すらしいが、この写真の動物は顔全体と四肢の先だけミイラ化しているように見えた。ミイラ化といっても、皮膚が乾燥して黒色化したものが骨の表面に張り付いているといった感じで、腐敗の一過程にすぎないのかもしれないが私は見たことがなかったので驚いた。もし、これがミイラだとしたら、私の頭の中は古代エジプトへ飛んでいって…

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No.242 近くて遠い

2016年05月31日

海老原 寛 ある動物園のバードゲージには、カワウやアオサギなど、日本の鳥が多数放たれていた。ちょうど時期だったようで、多くの鳥が営巣している。ふと見ると、ケージの鉄骨の角でカワウとアオサギが突っつき合いのケンカをしていた。だが、お互いの嘴は相手に届くことはない。なぜなら、2羽の間には金網があるからである。そう、アオサギはケージの外にいるのである。ケージの中にサギが多数飼育されているため、野生のサギ達が安全な場所だと勘違いをし、コロニーを形成してしまったようなのだ。雛が孵り、巣立つまで延々と続くであろうこの不毛な戦い…

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No.241 クスさん

2016年05月17日

宇野 浩史 イノシシ痕跡調査の道中、美しい網目状の繭を見つけた。 調べると、クスサンという蛾のものであるそうだ。クスサンは、漢字で樟蚕と書き、その名の通りクスノキなどを好んで食す、ヤママユガ科の一種だ。幼虫はシラガタロウと呼ばれ、クスノキだけでなくクリやクルミ、トチなどに食害を与える害虫として扱われる一方、誰が思いついたのか、その繭糸腺はテグスとして利用されることもあったそうだ。 「クスサン」、「シラガタロウ」という、害虫にしては何となく愛嬌を感じてしまう名称も、現在の主流であるナイロン製の釣糸がまだ手に入りにくか…

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