研究員によるフォトブログ

フォトブログ一覧

No.195 クマさんありがとう fromタヌキ?

2014年05月発行

岸本 真弓  久しぶりに中部地方を歩いた。近畿地方で見つけると嬉しくなるクマ糞も、当地では緊張感を覚えるほどの発見率だ。 アセロラドリンクのように鮮やかなイチイのクマ糞が3個も目に飛び込んできた。甘みたっぷりマロンを思わせるドングリのものは口内の唾を誘う。明らかに違う時、あるいは違う個体の落としものである(写真1)。  ケモノ道に点在するクマ糞の横に、地味にタヌキのタメ糞があった(写真2)。タヌキもイチイを食べたいだろう。けれども、イチイは自分では行けないところにしかないかもしれない、行けても一番美味しい状態のもの…

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No.194 私はアオサギよりの子供だった

2014年05月発行

海老原 寛 ある日、ダイサギとアオサギがごく近い距離で並んでいるのを見つけた。 2羽とも獲物が来るのをじっと待ち構えている。しかし、10分経っても獲物は現れないようだ。それでも辛抱強く待つダイサギと対照的に、アオサギはきょろきょろそわそわ。ついには、写真左に向かって歩き出してしまった。そのとき、ダイサギが獲物を見つけてパクッ!歩き始めていたアオサギはギョっと振り返る。くやしいアオサギはダイサギの獲物を横取りしようとするが奪えず、ダイサギは飛び立ってしまった。アオサギは先ほどまでダイサギが立っていた場所に立ち、獲物を…

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No.193 噛み合わせ検査シート

2014年05月発行

岸本 真弓 2013年秋、昨年はなんともなかった看板が割れて落ちていた(写真1)。 見るときれいに歯形がついている。切歯は6本、りっぱな犬歯です(写真2)。  やや、噛み合わせに偏りがあるようですよ、クマくん。それとも割る時に内側に力をいれましたか? 20140501_kamiawase.jpg

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No.192 キツネ

2014年04月発行

山田 雄作 昨年の12月に群馬県の調査地でキツネに出会いました。 調査中に中型動物に遭遇することは珍しくはありませんが、その多くはタヌキ・テン・ハクビシンです。珍しくて車を止めてみていると車から5m程度の距離まで近づいてきました。その時に撮影したキツネです。 20140410_kitsune.jpg

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No.191 富士山の癒し効果

2014年02月発行

姜 兆文 先日、シカの生息状況モニタリング調査(山の稜線上を歩きながらシカの糞塊を数える)に参加した。上り坂の稜線を登り続けかなり疲れた。少し平らなところに着いたら、休憩しようと思った。足を止めて右側を眺めると、驚くほど綺麗な雪富士(写真1)が見えた。富士山を見た瞬間、全身に爽快感が走って、疲れが全くなくなった。その後、綺麗な富士山(写真2、3)を見ながら調査が続く、幸せな一日になった。富士山に癒され、楽しい調査ができて、ありがとう! 実は富士山は私にとって特別な意味がある。中国人は日本に来て、富士山を見なければ日…

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No.190 肉を切らせて骨を断つ

2014年01月発行

岸本 真弓 滋賀県のある町に調査に行ったときのこと。 稲刈りの済んだ山田の中に一部だけ金色の稲穂が揺れていた。 そしてその横にはイノシシを有害獣として捕獲するための箱ワナがあった。 よく見ると稲穂には実がついていて、決して色や葉だけでイノシシをおびき寄せようとしているのではなく、イノシシが食べたい状態で置いてあるのだ。 田んぼの持ち主の方の並々ならぬ思いが伝わってくる。 ただ、稲穂より魅力的な餌がワナの中にないように思えたのが残念だ。肉の切られ損にならなきゃいいのだけれども。 20140114_nikuwokira…

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No.189 あやとり

2013年12月発行

岸本 真弓 鳥取の秋の山。 シカの糞を探してなので、下を向いて歩く。横からはりだす木々の枝も見ることはなく、手で払う。払えない大きなものでも体を進めればほどけるように横に流れていくことが多い。 シカの採食圧がそれなりにあったここでは、低木ブッシュとの格闘はなく、苦もなくスルスルと歩を進めていた。視界の上隅に入ってきた枝も手でよけた、、、つもりだったが、手が抜けなかった。 どこかを目指していたツルが途中で断念したのか、それとも前には何かを抱き、あるいは支えられていたのかもしれない。でも今は空をつかんでいる(写真左上)…

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No.188 てっぺんの巨大な中国地図を発見!

2013年11月発行

姜 兆文  南アルプスの標高3033メートルの仙丈ヶ岳に巨大な「中国地図」(写真1)を発見した(図1、中国全域の白地図)。そっくりだと思いませんか。 昨年6月29日にGPS首輪が装着されたシカを探査するため、同じ会社の奥村さんと北沢峠から仙丈ヶ岳に登った。午後4時ぐらいに、くぼ地にある山小屋へ到着する前、最後の高所を越えると、山小屋を囲んでいる一面の山々が現れた(写真2)。その瞬間、この巨大な雪の「中国地図」が見えた。見た瞬間、非常にびっくりして、とても興奮したので、思わず、「これは中国地図だ」と叫んでしまった。日…

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No.187 でかい!

2013年11月発行

溝井 彩 道路脇にひょこっと出てきたヤクシカ。いいタイミングでこちらを向いてくれました。 先日、ヤクシカの調査で屋久島に行ってまいりました。 初めて足を踏み入れた屋久島は終始、本州とは違う姿に驚かされっぱなし。 特に印象的だったのが、写真でもわかる様に、シダの大きいこと! (ヤクシカが本州のものと比べてかなり体が小さい、というのもあるかもしれませんが・・・)それにしても、でかい。自分もシダの横に並んで写真を撮っておけば良かった、、と少し心残りです。 たった一枚の写真に色々な濃さの緑があって、この写真を見ているだけで…

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No.186 あなたのお名前は?

2013年11月発行

中山 智絵  先日、瑞牆山に行った際、特徴的な形のきのこを見つけた。「これぞ正にラッパ型!きっと後で調べれば種名がわかるはず。」と思い、写真を撮りその場を後にした。 後日、時間ができたので同定を試みる。とは言っても、サンプルはないうえに、きのこ初心者なので、当たりがつけば良いなといった程度。さて、まずはネット検索から。ラッパ型で検索できるサイトがあったのでそれを見てみる。…シロアンズタケに似たようだが違う気がする。次に、図鑑で検索。…ウスタケと形がほぼ同じ!生育地もばっちり当てはまる。しかし、色が違うような…。「ウ…

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No.185 ニホンザルの白変種

2013年09月発行

清野 紘典 真っ白なニホンザルを見るのは珍しいことです。 加齢とともに体毛が白っぽく変化するサルはしばしば観察されますが、写真のように完全な白色になることは少ないのです。 写真のサルは瞳孔が赤色ではなかったので、アルビノではなく、白変種であると考えられます。 アルビノは先天的にメラニン色素を生成できない遺伝子疾患ですが、白変種はメラニンを生成する正常な遺伝情報がありながら白化します。白変種と考えられるポイントは、瞳孔の色に加え、頭の一部分だけは通常のニホンザルと同じように茶色系の色になっていることです。メラニンを作…

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No.184 お疲れ様です

2013年08月発行

金子 文大 2011年夏、とある山中での一コマです。クマの毛を引っ掛けるために仕掛けたヘアトラップの見回りをしていると、クマをおびき寄せるためのベイト (蜂蜜) にセミの抜け殻がくっ付いていました。ベイトは、木と木の間にロープを渡し、吊るしてあるのですが、セミの幼虫は木を登り、さらにロープを伝って、ベイトの上で羽化したのでしょうか… 20130829_otukaresaamadesu.jpg

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No.183 乗り越えてやってくる

2013年08月発行

岸本 真弓 遠方から見たとき、「何しているのかな?」と思った、このかかし。結構リアルです。 柵の向こう側(林内)にいる動物に対する威嚇なのだろうけど、このように設置されたもの初めて見ました。 20130806_norikoete.jpg

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No.182 山の中の名前

2013年06月発行

岸本 真弓 山を歩いていて、突然人の名前を見つけることがある。 その山主さんを示すのか・・・? では、岩に書かれた文字は苗字ではないのか? 知り合いの名前に出会って、たぶん間違いなく別人なんだけど、とても懐かしく思えることもある。ちょっと珍しい初恋の人の名を見つけた時は、なんだかどきどきした。 20130622_yamanonakanonamae.jpg

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No.181 タヌキの不可解な行動

2013年05月発行

佐伯 真美 小雪舞い降りる冬の日に、山中で奇妙な光景に出くわした。 山の稜線部の広場に1頭のタヌキがいた。 タヌキは直径3m程度の弧を描くようにクルクルと走っていた。このタヌキ、3分程度回り続けた後、ピタッと止まり息を荒げながらボーっとしていた。しばらくすると我に返ったように、再び直径3m程度の範囲を走り始め、回る、止まる、回る、止まるを繰り返していた。 このタヌキの動画を関西分室の岸本真弓獣医師に見てもらったところ、直ぐに返信をもらえた。このタヌキ、どうやら病気のようだ。見た目、首もまがっており斜頸と思われ、可能…

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No.180 雪上の足跡のクイズ

2013年03月発行

姜 兆文  1月28日から2月2日まで、青森県下北半島のサル行動調査に参加した。久しぶりの雪山の調査は大変だったが、楽しかった。私は中国東北地方の出身で雪環境に慣れ、クロテンの行動調査するため、中国大興安嶺の氷点下30度ぐらいの雪山で、アメリカ人研究者と泊まり込んで調査した経験も何回があった。来日後、1995年から1997年まで山形県の雪山でカモシカの食性調査、2000年から2002年まで富士山麓でのシカ食害調査以来、本格的な雪山調査は11年ぶりだ。 カンジキで雪山をサルの足跡を辿って追跡しながら、その他の動物の痕…

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No.179 既成概念

2013年03月発行

岸本 真弓    小学生の一時期、石を蹴りながら家まで帰るという遊びに夢中になっていた。それを終わりにしたのは、「石が生きていたとしたら、こんなに移動させられて嫌かも。生きてるって、私が思う『生きてる』だけではないかも」とふと思ったからだった。  ザトウムシを初めて林内で見たとき、絶対これは宇宙船だと思った。宇宙人が必ずしも人間と同じ大きさとは思えなかったから。ザトウムシという名前を知った今でも、この動物(?)はしばし私を既成概念から解き放ってくれる。 20130306_josei.jpg

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No.178 雪上の蝶

2013年02月発行

中山 智絵  先日、青森県の下北半島にニホンザルの調査へ行った。雪山調査ではいつも以上に体力を使うので大変疲れた。しかし、雪山には楽しみもあった。動物の足跡だ。今回の調査では、ニホンザルの足跡の他にキツネ、ニホンノウサギ、ニホンリスの足跡を見た。なかでもニホンリスの足跡は私のお気に入りだ。なんだか蝶のようで可愛らしい。 20130212_ashiato.jpg

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No.177 カモシカのいる場所

2013年01月発行

山田 雄作 写真のカモシカはどこにいるでしょうか。背景にはコンクリートが見えますが動物園ではありません。 南アルプスでカモシカの調査を行った際に道路沿いの法面にでてきてくれた個体です。 カモシカはこんな見晴らしと風通しが良い急斜面にはよく出てきます。 区画法に参加してくださった皆様ありがとうございました。 20130120_kamoshika3.JPG

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No.176 屋久島のサルとシカ

2012年12月発行

清野 紘典 鹿児島県の南の海上に位置する屋久島。日本を代表する世界自然遺産の一つである。 屋久島のヤクザルやヤクジカは、屋久杉、ウミガメと並んで屋久島の自然の豊かさのシンボルになっている。 屋久島の西部林道は、車で数百mも走ればいくつものサルの群れやシカのグループに遭遇できる場所で、サルとシカの生息密度が高いエリアとして知られている。 そんな西部林道、道路上にサルの糞が一つとして落ちていない。 あれだけたくさんのサルがいれば糞のひとつも落ちていてもおかしくない。 ではなぜ見当たらないのか、シカがサルの糞を食べている…

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