フォトブログ一覧
NO.114 気になるう~っ
岸本 真弓 4月、京都で恒例のシカ糞塊密度調査を行った。10年以上続く調査。慣れた道だが毎年新鮮な思いで歩く山。 しかし、今年は気が散る。気になる、気になるのだ。リョウブの皮剥が、ヤブツバキの角研ぎが、イヌツゲの矮性化が、ツツジの枯死が・・・ いや、もちろん去年までだってわかっていた。だが、今年3月四国でシカの植生への影響を調査するためにそればかりに注目してからまだ1ヶ月もたっていない。その目が抜けない。 しかし、今は糞の調査。集中、集中、糞にしゅーちゅーっ! 20100730_kininaru.jpg
NO.113 天上のサル
横山 典子 ダケカンバとハイマツ群生する標高2700mの亜高山帯でサルに会った(写真中央より少し右の岩の上にいます)。 ハイマツの実を食べに来たようだ。 周辺からステレオのようにポリポリ食べる音がする。 いつも見る下界のサルよりも少しだけたくましい気がした。 20100726_tennjounosaru.jpg
NO.112 モズのはやにえ
川村 輝 11月末、サルの捕獲で群れが近づくのを待っていたらモズが何やらくわえてやって来た。 もしかして…とはやる気持ちを抑えて息をひそめて待っていると近くの小枝に止まってキョロキョロ。どこにしようか思案している様子(お?やるか?やるか?)。 その瞬間は一瞬だった。なんのためらいもなくサクッと小枝に刺して飛び去って行った。 図鑑ではいろんなバージョンが紹介されているが刺す瞬間を見たのは始めてだった。 モズが去ってから写真を撮りに近づくと、あぁ…哀れ、獲物のバッタはまだ息があるようで動いていた。 忘れずにち…
NO.111 燕岳
山田 雄作 燕岳は長野県に位置する、標高2,763mの山です。 登山口の中房温泉(標高1462m)から燕岳山頂までは約1300mの標高差がありますが、地元の中学生たちは学校登山で登るそうです。 ゆっくりと登り約4時間半ほどで山頂付近にある燕山荘へ到着、梅雨時期で前日までは降水確率70%でしたが、朝から天候に恵まれました。 燕岳は花崗岩からなり、花崗岩の白さが晴天の青とハイマツの緑ととてもきれいな景色を見せてくれました。 20100720_tubakuro.jpg
NO.110 倒木だらけ
姜 兆文 倒木、倒木!また倒木!!今年は倒木だらけだ。奥多摩地域のニホンジカ(以下シカとする)を調査するため、2005年から6年間連続で毎年11月末と5月上旬に2回、登った。今年、特に沢沿いの斜面は写真で示したように倒木が多く、山の状況が急変していることに驚いた。もちろんいままでも心配はしていた。 昨年の冬期には特に異常気象も発生していないのに、なぜ倒木が多数発生したのだろうか。やはり、これはシカの個体数の増加に伴い、シカが下層植生を採食することにより森林生態系に対して悪影響を及ぼしていることと深い関わりのある…
NO.109 湿度100%
岸本 真弓 シカとシカによる植物の影響を調査するため大台ヶ原に通うようになった、6月のある日のこと。霧に覆われた尾根を登り、日出が岳を目指す。頂上間近で霧が晴れ、振り返ると雲の壁があった。北側斜面を昇ってきた雲が尾根を舐めるではなく、そのままの勢いで真上に数十メートル伸び上がっている(写真1)。大台ヶ原は日本で有数の多雨地域。四方からの湿った空気を吸っている。 その4日後大台ヶ原から東に下った海岸近くの山裾に、シカに装着したGPSテレメを脱落させに出かけた。無事脱落に成功し、発見したGPSテレメの遠景の写真を撮…
NO.108 山の恵み
横山 典子 テントと食料を抱えて2泊3日で植生調査をするという少々きつい仕事だった。 足も思うように前に進まず、気力だけで前に進む。 のどは渇いていたが、食事で使うことを考えると好きなだけ水を飲むというわけにもいかない。 調査を一箇所終える度に、お風呂と気持ちいいお布団に近づくのだ、と言い聞かせながら、我慢して一歩一歩前進する。 何とかその日最後の調査地に着いた時、道の脇に光り輝く緑色したものを見つけた。 サルナシだ! しかも、大豊作! がんばったご褒美かもしれない! いやぁ~生き返りました。 ありがとう、山の恵み…
NO.107 アライグマのツリーハウス
岡野 美佐夫 発信機をつけた2頭のアライグマがかわるがわる使っていたスダジイの大木(写真1)。ここにあるはずの樹洞をつき止めようと、同僚二人と梯子を担ぎ、捜索に行きました。 太い枝が折れたあと、腐食が幹の中まで進んで洞ができあがったようでした(写真2)。地上高3.5mにあり、洞の入り口は直径20cm、奥行きは63cmで、1頭が休むには十分な大きさなのでしょう。 そこに向けて自動撮影カメラを設置すると・・・、数日後に見事アライグマが撮影されました(写真3)! 20100702_araiguma.jpg
NO.106 サルとシカ合戦(桑の実編)
佐伯 真美 神奈川県の丹沢地域でサルを観察中に奇妙な光景を見た。サルは桑の樹上で桑の実を美味しそうに食べていた。ふと木の下を見るとシカ5頭が地面の何かを必死で食べている。 あたりはかなり広いのにシカは所狭しと桑の木の下に集まっていた。時折、喧嘩をしながら食べている。 こ・・これはまさか!?サルが落とした桑の実を食べていたのではないだろうか!?屋久島ではサルが落としたおこぼれをシカが食べるという話を聞いたことがあるが、まさか丹沢でも!?もちろんサルはシカのために落としてあげているのではなく食べる際にボロボロ食い…
NO.105 美しき隣人
川村 輝 4月末、調査で訪れたO町で調査終了後少し時間があったのでコウモリの生息場所に立ち寄ってみた。 そこはコンクリートで囲まれたトーチカ*1となっており夏場繁殖に使われることが多い。覗いてみると羽音とともに数頭がトーチカから飛び出してきた。 中には20~50頭ほどのキクガシラコウモリがいた。昼間だというのにほとんどの個体が覚醒して可聴音で鳴いている。気候が暖かく出産が近いのだろうか。トーチカに集まるのには少し早い気がする。 街中で見かけるアブラコウモリのようなヒナコウモリ科は後肢と前腕の爪で壁にしがみつく…
NO.104 野生動物を集めないで
岸本 真弓 写真は観光名所のタヌキである。観光客か、あるいは観光客目当ての店員かが、イノシシやタヌキに餌を与えていた。 自然では集まることのない野生動物が餌付けによって集まってしまう。今も日本のどこかで流行しているタヌキの疥癬も、不自然に集められたタヌキ間でまたたくまに拡がってしまう。感染力の強いウイルス病などがひとたび発生すれば、集められた野生動物はひとたまりもないだろう。 餌付けは、野生動物の行動をゆがめ、健康を損ねるだけでなく、地域個体群の絶滅さえも引き起こす危険な行為なのだ。 20100623_edu…
NO.103 ロードキル
加藤 洋 サルが道路を渡る。カウントチャンス(個体数調査)の瞬間である。サルも道を渡るのに命がけだ。この日はF県を走る国道を渡った。朝8時、通勤ラッシュ真っ直中である。次々に道路に飛び出すサルたち。 まだ道路を渡ることに慣れていないのだろうか、案の定、コザルが車と接触してしまった。このコドモは後続車に再び跳ね飛ばされながらも、何とか立ち上がって走り去った。鼻血を流していたこともあり、このコドモのその後の安否は不明であるが、頭部を車に強打したのを目撃したため「即死かな・・・」と見込んでいた私はその生命力に少々驚い…
NO.102 見返り美人
山元 得江 黒い大きなお尻の持ち主は誰でしょう?(写真1) 放獣を待ちわびるメスのツキノワグマでした(写真2)。 犬座りならぬクマ座り姿勢で、「お尻ばっかり撮らないで顔も撮ってよ!」と言わんばかりに振り返ってます。右耳には、ダニというイヤリングをつけて(写真2の矢印)。 20100617_ajpg.jpg
NO.101 カワウの落し物
金子 文大 先日、琵琶湖に突き出ているI半島に、カワウの営巣数調査に行ってきました。その日はまだ5月だというのにとても暑く、営巣地に近づくと、林の中は、強烈なカワウの糞の匂いでムッとしました。 強烈な匂いの中、上から降ってくるかもしれないカワウの糞に注意しながら、調査しているとふいにドサッと足元の枯葉の上に何かが降ってきました。じっと目を凝らしてみると、その正体はカワウが吐き出したであろうアユでした。アユなどの魚を食べてしまう「食害」や糞による営巣地周辺の樹木が枯れる「糞害」が、増えすぎたカワウによる主な被害と…
NO.100 高さ214cm
岸本 真弓 鳥取の南東部の山。イノシシの調査だったのだが、やたらシカの痕跡が目立つ。それも樹皮食い。えらく高いところまで皮剝かれた木を発見。メジャーを当ててみると214cm。 シカの口が届くところまでの下枝や下草がなくなる高さをディアライン(ブラウジングライン)というが、その高さは大台ヶ原でおよそ160cm。高さ214cmの樹皮食いを私は初めて見た。どうしても欲しくて2本足で食べたか(フォトブログ No.17参照)、積雪で地面が上ったか。シカにとってはおいしさゆえか、厳しさゆえかわからないが、植物…
NO.99 厳しい冬
加藤 洋 3月。ニホンジカの越冬地内を調査中、足元がおぼつかないオスジカに出会った。しかし、体力の限界か、流れに飲み込まれてしまった。 様々な野生動物にとって、冬期は餌資源が少なく、とても厳しい季節だ。越冬地にたどり着いた彼らも、春が訪れるまでギリギリの生活をしているのだろう。その後下流で水死体が見つかった。彼も春が待ち遠しかったに違いない。 20100609_kibisiifuyu.jpg
NO.98 サル怒りのボルテージ(全身編)
清野 紘典 「サル怒りのボルテージ(顔編)」と見比べて下さい。 4)ともなると一般的な成人男性のほとんどは逃げ腰になります。 ※野外でサルに威嚇されても走って逃げないで下さい。ひっかかれたり、噛み付かれるため危険です。ゆっくり後ずさりしてその場を離れましょう。 20100607_b.jpg
NO.97 サル怒りのボルテージ(顔編)
清野 紘典 写真は筆者に対して怒りを顕にしている1頭のサルの表情です。 どの表情がもっともサルの怒りを感じるでしょうか。 20100604_2010.6.4.jpg
NO.96 虫の襲撃
山元 得江 車を林道脇に止めて調査を行い、車に戻ってきたときのことです。タイヤやエンジン近くのボンネットに何かがたくさん張り付いていました。1本のタイヤに最低でも20匹。ボンネットの上などにも約20匹。見えているだけで車1台に100匹はいました。カメムシに車が襲撃されているかのようです。 このまま車を走らせると確実に踏み潰してカメムシ臭に包まれてしまうので、木の枝を使ってカメムシを刺激しないようにそぉーと払いのけました。この作戦は成功し、カメムシを踏み潰さずに移動できました。 カメムシは寒くなると暖かい人家に…
NO.95 藪漕ぎジョニー
小林 健人 車で近付くやいなや睨みをきかせてきた湘南ボーイ。 間近だと恐い威嚇の姿勢も、あとで写真を見るとサーファーのようなポーズだったりして。 20100531_2010.5.312jpg.jpg