研究員によるフォトブログ

フォトブログ一覧

No.74 山で見つけたおかしなもの−090413鳥取−

2009年06月発行

岸本 真弓 業務上必要ではない写真をとりたくなる時。それは、わからないものを見つけた時、美しいものを見つけた時、おかしなものを見つけた時。忘れないでおきたい時、人に見せたい時。この日のそれはこの2点。大地のパックとタヌキタメ糞の灯。 20090616_2009.6.16.jpg

「No.74 山で見つけたおかし…」の続きを読む>>

No.73 仕事の道具(その5)~ホームセンターはユビキタス世界~

2009年06月発行

片山 敦司 駆血帯は静脈の環流を妨げて鬱血させる道具で、私たちが健康診断で採血してもらう時にもよく目にするものだ。動物からの採血、静脈注射を行う際に駆血が必要な場合が多い。 今ならば駆血帯程度の医療用具はインターネット通販などで廉価に購入できる。でも、10年ほど昔は田舎に住んでいると、ちょっとした買い物でも専門業者を通じなければならず、時間もコストかかった。駆血帯が切れて使えなくなった時に私が愛用したのが、「網戸の網押さえゴム」であった。ゴムチューブでも良いのだが、網押さえゴムならば大抵のホームセンターでも売ってい…

「No.73 仕事の道具(その5…」の続きを読む>>

No.72 猿だるま

2009年06月発行

山元 得江  降雪量の少ない地域では、土で茶色に染まっている雪だるまをよく見かける。この写真のだるまも茶色。しかし、たまに動いて、ちらりとこちらを見る。 このだるまは、首輪型の発信機をつけられて、徐々に麻酔から覚醒してきているサルである。このときは気温が低く寒かったので、サルは体を丸めて体温が奪われないように雪だるまみたいな格好をしていた。お湯を入れたペットボトルを足元に入れてあげたが、その暖かさを感じてくれているのかいないのか・・・。そのうち麻酔から覚めて、木の上に登っていった。 20090601_2009060…

「No.72 猿だるま」の続きを読む>>

No.71 雪景の黒い影

2009年05月発行

清野 紘典 12月初旬、京都府丹後半島。 錯誤捕獲されたクマを山に放しにいく道程、日も傾きかけた頃、眼前に広がる白銀の世界に一筋の黒い影が走る。 クマか、否、そのシルエットは・・・猪だ。 50kgはゆうに越すであろう猪が雪原をひた走る。 猪の生息分布は積雪量により制限されるが、積雪下でたくましく生きるその姿を垣間見た瞬間である。 <写真提供:芝原氏> 20090526_2009.5.26.jpg

「No.71 雪景の黒い影」の続きを読む>>

No.70 再会

2009年05月発行

岸本 真弓  2008年秋、例年通り滋賀県のシカ糞塊密度調査を行った。多くが毎年自分が行っているコースだ。おきまりの場所に車をとめる。リアハッチを開けて長靴を取り出し、地面に置いた。 !!!!! そこには、1年前私がここに置き去りにした杖が!!! そうっと持ち上げ目を近づけると数字が残っている。紛れもない、あのときの私の伴侶。待っていたのか、一年間・・・ (調査雑記No.44ご参照ください) 20090519_2009.5.19.jpg

「No.70 再会」の続きを読む>>

No.69 でべそのサル

2009年05月発行

佐伯 真美    写真は昨年6月に捕獲したニホンザルのメスと今年の2月に本社のOさんが捕獲したニホンザルのメスです。 2頭とも腹部には大きな「でべそ」があります。「でべそ」といえば、何故か昔のアニメの登場人物には「でべそ」の人が結構いたように思いますが、最近はとんと見なくなったような気がします。 この「でべそ」は、正しくは「臍ヘルニア」と言うのですが、これはへそ(臍)の部分で腹腔内臓器の一部が皮下に脱出している状態をさします。人間でもおへその周りの筋肉がまだ弱い生後2週間から1ヶ月頃の赤ちゃんにはよく見られる症状の…

「No.69 でべそのサル」の続きを読む>>

N0.68 容疑者確保

2009年05月発行

加藤 洋  ニホンザルの個体数調査。相手は野生動物、カウントチャンスはいつ来るか分らない。時には寒い野外でひたすら時を待つことがある。完璧な防寒対策、双眼鏡、無線機・・・我々フィールドワーカーにとっては至って自然な格好であり、装備にはプロとしてのこだわりさえ持っている。ただ、町の中では単に怪しい人である。こうして、研究員S氏はあえなく御用となったのでした(もちろん簡単な職務質問で済み、この後速やかに解放されました)。 我々を見かけたときは、近くに何らかの野生動物がいる可能性が高いので、そちらのほうを警戒して頂けたら…

「N0.68 容疑者確保」の続きを読む>>

No.67 シカ角いろいろ

2009年04月発行

横山 典子 一番左の頭骨付は、ヤクシカ。これはK氏が屋久島旅行に行った際に猟師からいただいたもの。 その隣は、鳥取県で拾った物。その隣は福井、そのまた隣は滋賀。一番右は淡路島。 基本的に北に行くほど角は大きくなる傾向があるのだが、鳥取の角はずば抜けて大きい。これは鳥取市北部で拾ったもので、ここはシカの分布が最近拡大した地域で、餌が豊富だからか、狩猟圧が低いために大きなシカが生き延びているのか、そのあたりはよく分からない。 角の大きさは、地域差がもちろんあるが、個体差もある。大きい角があるはずの地域で小さい角を見つけ…

「No.67 シカ角いろいろ」の続きを読む>>

No.66 凍結標本発見!?

2009年04月発行

吉田 淳久 いえ、生きています。1月の終わりに、水辺の雪原を歩いていて発見したヤマアカガエルです。繁殖期は通常2月~6月なので、繁殖のために動き出したのでしょう。しかし、埋まっています・・・。雪面に歩いた跡はなく、体の形に氷が窪んでいることからすると、かなりの時間じっとしていたようです。お腹冷やさないようにね。 20090420_zakki66.jpg

「No.66 凍結標本発見!?」の続きを読む>>

No.65 数を数える虫を探せ!

2009年04月発行

山元 得江  シカの調査でY県の山の中を歩いていた。終わりが見えてきたので、腰を下ろして休憩することにした。水分を補給しながら、近くにある落葉を眺めていた。  すると・・・自然界では目にすることがないであろう「5」という数字が目に飛び込んできた。なぜ山の中の落葉に「5」と書いてあるのか。誰が書いたのだろうと、その落葉を拾い上げてみると、なぞが解けた。「5」という数字は虫が葉を食べながら書いたのだ。数を数えられる虫がいたら大発見だな、と思いながら1や2、3などの数字が他の落葉に書かれてないか探した。案の定、辺りに他の…

「No.65 数を数える虫を探せ…」の続きを読む>>

No.64 サルの鯱

2009年04月発行

清野 紘典 12月、霜が降りた早朝、車通りの多い国道を走っていると鯱(しゃちほこ)のある家をみつけた。 遠目で丸い形をしている珍しい鯱だと思い、双眼鏡を覗くと・・・それはサルだった。 見事に屋根の両端で対面座した2頭のサル。暁の空のもと瓦に鎮座している。 こちらが近づくと鯱たちはからからと瓦を鳴らして足早に逃げ去っていった。 地元の方々にとって、この鯱たちは生活被害以外の何ものでもない。 瓦が落ちる、ベランダに糞尿が、屋根がうるさくて寝られない・・・。 町の風景に不似合いな鯱の姿は、今一度人と野生動物の関係を考える…

「No.64 サルの鯱」の続きを読む>>

No.63 冬の終わり

2009年04月発行

山田 雄作 先日、盛岡のカモシカ調査へいってきた。  といっても一ヶ月ほど前で雪がほとんど積もっていないはずだったが、ちょうど前日にヒザ上まで、場所によっては腰下までの雪が降った。  ということは当然ラッセル・・・  寒さもヒザの痛みも、写真のような動物の痕跡に出会えるだけで報われる。  写真は目当てのカモシカの足跡と糞です。 20090402_zakki63.jpg

「No.63 冬の終わり」の続きを読む>>

No.62 ミクロの戦い

2009年03月発行

湯浅 卓  調査雑記には、山で出会った動物か、きれいな景色のベストショットでも載せたいと思いつつも、かれこれ6ヶ月も室内に籠もりきりの私には、そんな写真を撮るチャンスさえ無く・・・   そこで今回は、趣向を変えて、実験室でのミクロの戦いの様子を少しお届けします。  上の写真は、2本のツキノワグマの毛の付け根部分、いわゆる毛根部分を、顕微鏡で拡大した写真です。この2本の毛は同じクマから抜けたものでしょうか?それとも2個体から抜けたものでしょうか?  この6ヶ月、私は、こうした毛からクマを識別すべくミクロの戦いをつづけ…

「No.62 ミクロの戦い」の続きを読む>>

No.61 あるメスジカによる観察(3)(全3回)

2008年12月発行

清野 紘典 2008年6月22日10:00:40 S県T市A演習場内 「サルコドモ2・・・イツモノムレ」 20081205_zakki61.jpg

「No.61 あるメスジカによる…」の続きを読む>>

No.60 あるメスジカによる観察(2) (全3回)

2008年11月発行

清野 紘典 2008年6月22日10:00:34 S県T市A演習場内 「!(ドキ)・・・サルオヤコ」 20081127_zakki60.jpg

「No.60 あるメスジカによる…」の続きを読む>>

No.59 あるメスジカによる観察(1)(全3回)

2008年10月発行

清野 紘典 2008年6月22日9:58:14 S県T市A演習場内 「!!(ドキドキ)・・・ニンゲン♂1クルマ」 20081025_zakki59.jpg

「No.59 あるメスジカによる…」の続きを読む>>

No.58 三角点探訪<その7>剣山

2008年10月発行

岸本 真弓 徳島県那賀郡那賀町字鎗戸50番地  一等三角点「剣山」(1,954.65 m)2008年9月22日晴れ  シカの調査で徳島県の最高峰、剣山を訪れている。二度目の来訪時、頂上に登った。そこに鎮座まします一等三角点「剣山」があった(写真1)。こんなにりっぱに奉られた三角点を見たのは初めてだ。  一等三角点「剣山」には歴史がある。昭和の時代、剣山を愛し、剣山の良さを伝えたいという人たちのご尽力によって、登山客が増えた。その結果、頂上付近を覆い尽くしていたササ原が裸地化して、土砂が流出するようになった。1972…

「No.58 三角点探訪<その7…」の続きを読む>>

No.57 ぶらさがり健康グマ

2008年10月発行

清野 紘典  この写真、クマが伸びきっていますが、よくみると地面から数十cmほど足が浮いています。イノシシ捕獲用の檻に誤って捕獲されたクマを檻から放つために麻酔銃で眠らせたときの一場面です。2m×15m×15mmの大きなイノシシ用の檻でした。  麻酔投薬後、ひとしきり檻の中で暴れたクマはフェンスにへばり付いたまま眠ってしまいました。麻酔は完全に効いていましたが、クマの犬歯はしっかりとフェンスを噛み、結果、クマは落下せずにまるでぶらさがり健康機に掴まるような状態で眠ってしまいました。自分の全体重を支えることができるク…

「No.57 ぶらさがり健康グマ」の続きを読む>>

No.56 H2Oシステム

2008年10月発行

岸本 真弓  エコ、セコ、ケンコーのため、電車&徒歩通勤を始めて2ヶ月になる。35分のウォーキングに物足りなさを感じ、重りを持つようになって1ヶ月半。ザックの底で重りは徐々に重量を増し、現在では4.5kgだ。私の体よりもザックの方が悲鳴をあげそう。  このザック、数年前の誕生日にもらったものだ。調査用のザックにはない、H2Oシステムなるものがある(写真1)。どうやら特に自転車乗りの人に愛用されているザックらしく、チューブ式の水筒を収納しておき、ザックから出すことなく水を飲めるのが特徴。  先日、以前調査で発信器を装…

「No.56 H2Oシステム」の続きを読む>>

No.55 三角点探訪<その6>きりこを探して

2008年08月発行

岸本 真弓 京都府相楽郡南山城村大字高尾字奥山10番地  三等三角点「相楽」(275.02m)2008年8月7日晴れ  京都府の事業で電波発信器を装着したメスザル愛称「きりこ」の消息がつかめなくなって1ヶ月半がすぎていた。交代で定期的に捜索に行くが、ひとりで探し回るには限界がある。そこでこの日3人を投入して、大捜索を試みた。まだ一度も車で進入したことのない行く先の知れぬ細い道、まさかと思う遠い場所、手分けして徹底的に探すのだ。  高山ダム湖岸府道をきょろきょろしながら車を走らせていると、「←三角点」と書かれた小さな…

「No.55 三角点探訪<その6…」の続きを読む>>

ページの先頭へ