研究員によるフォトブログ

No. 212 日本の鳥といえば

2015年01月26日

岸本 真弓 今も一緒に調査に行くTさんと初めて会ったのは1990年、初夏の奈良だった。山を背にあぜ道に座っているとジッジッと低く小さな声がする。「日本人に最もなじみ深い鳥の声だ」と教えてもらった。そう、ウグイスの地鳴きである。  今年の晩夏、奈良の山を歩いた。いつもは盛秋に歩くので、鳥の声もわかる人が聞けば違いは歴然なのだろうなあ、などと思っていたら、ギジギジギジギジギジと聞き慣れない騒ぎ声が迫ってきた。それも群れだ。いったい何なのだと思い、双眼鏡で追うと、ソウシチョウだった。  ソウシチョウを初めて見たのは199…

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No.211 置きたくなる人

2015年01月15日

岸本 真弓 山を歩いていたら、石柱の上にアナグマの頭骨が置いてあった。アナグマの頭骨を見つけて持って帰りたくなる私のような人間でなければ、石柱の上に置くのもわかるな、と思い歩を進めると、今度は倒木の上に石があった。何か不自然だ、そう思いながら進むと、次は切り株の上に明らかに、不自然に、そう石が置いてあった。目線をあげると、なんと、切り株という切り株の上に石がある。  これは、茶目っ気にしては度がすぎる。最初はふざけて置いていたが、だんだん止められなくなったのだろうか。そんなことをやってしまうのは、一見さんである登山…

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No.210 天然の足跡トラップ

2014年12月12日

星野 莉紗  小川沿いで小さなぬかるみを見つけて足を止めると、まるで爪楊枝よりも細く、可愛らしい痕跡をみつけた。一見、鳥類の足跡のように見えたが、よく見ると小型の哺乳類のようだ。おそらくネズミの仲間だろう。餌でも探していたのか、付近のぬかるみにもたくさん足跡が残っていた。  体重が軽く足の短い彼らは、地面が少し固すぎれば跡はほとんど残らず、逆にやわらかすぎる雪の上などでは足跡というより体全体を引きずったような跡になってしまうため、中型以上の動物と比べて足跡が鮮明に残るのは珍しいように思う。  地面に細かな土やインク…

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No.209 炎のようなスギの躍動力

2014年11月28日

岸本 真弓 滋賀の山で枝をはげしく張り出し、空に突き上げたスギが何本もあるところに出た。 まるで炎の字のようだ。枝打ちをされなければこうなるのか。しかし植林地内で枝打ちをされていない木はこうはなっていない。周りに木がないことが影響しているのかもしれない。一直線に突き抜けるスギ、ほんとうはこんなに激しく外に向かう力を内に秘めていたのだろう。 20141128_kaen.jpg

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No.208 地をつかむ

2014年11月19日

岸本 真弓  細い尾根を歩くと、地面にあん馬の把手かうんてい(さるわたり)があるように見えることがある。尾根を遠慮したように脇に生えている木の根っこだ。細尾根の土は、動物の往来や雨によって流れ、容赦なく根をむきだしにする。  木は真っ直ぐ天を向いている。土の中で根はY字バランスをとっているのだろう。根が地をつかみ、地が根をつかむ。生態系は生き物だけの関係ではない。土が流れ続ければいつかバランスを保てず木は倒れてしまうだろう。そしてそこには穴があき、水がたまってシカやイノシシがヌタうつのかも。 20141119_ch…

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No.207 湿原のシカの蹄の開き

2014年10月25日

姜 兆文 5月末、尾瀬沼及び周辺の湿原を訪ねた。写真に示したような、蹄の開きが普通より広く開いたシカの足跡を初めて見た(写真1、2)。見てすぐに、これはニホンカモシカの足跡だと思ったので、同行者の皆にシカとカモシカの足跡(写真3)の特徴について説明した。その日の夕方、湿原でシカを発見した。シカが走り去った場所に行って、シカの足跡を確認し、驚いた。なんと、昼間見た足跡と同じ特徴だ。もしかしたら、この地域のシカの足跡の特徴はかなり湿原の環境に適応し、蹄の開きも他地域のシカより幅が広くなっているのかもしれない。中国に生息…

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No.206 ダブルマロン?

2014年10月16日

岸本 真弓 山から下りてきた道にタヌキのタメ糞があった。アスファルトの上にあることもそう珍しいことではない。 糞の中身はサルナシ、カキ、クリ・・・! いえ、クリは糞の中身ではなく、外でした。落ちていた栗の毬の上にわざと盛ったとしか思えません。「No.175もよおすところ」に載せるべき写真でしょうか。それとも「No.195クマさんありがとう」に続く「タヌキより」でしょうか。 栗の毬の中にマロン糞(写真は柿糞のようですが)を詰めても、ダブルマロンとして喜ばれないように思いますが、好きな方いますか? 20141016_d…

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No.205 祠はのぞくべき

2014年10月01日

海老原 寛 集落付近の山を歩いていると、ときどき祠を見つけることがある。そういうときは決まって覗いてみる。この日もそうだった。まず、コウモリがいないかと祠の中をのぞいてみる。いない。次に祠の下をのぞいてみた。すると、なにやら毛の生えた動くものが。写真を撮ったが雨のせいもあってうまく撮れず、周りを見渡してからもう一度のぞいてみると、生まれて数日しか経っていないような赤ちゃんたちがいた。2枚の写真から、タヌキではないかと推測している。動いていた毛は母親だったのだろう。それにしても、親は私に気付いてすぐに逃げてしまったよ…

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No.204 花言葉は「情熱」

2014年09月22日

難波 有希子 見渡せば其処彼処に彼岸花。フィールド調査中にふと目を盗られた。 ただの赤ではない。深みがあって、どこか奥ゆかしさのある赤色。綺麗と言うより美しい。夏の終り。お彼岸。風に揺れると独特の妖艶さを醸し出し、何だか少しセンチメンタルな雰囲気を与える。 と、アメリカ人の友人に話してみたらあんまり理解されなかった(笑)英語ではRed Spider Lilyと言うそう。その名の通り、赤い蜘蛛。 彼岸花、あなたの目にはどう映りますか? 20140922_higanbana.jpg

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No.203 ナメクジの気持ちを知らない人間

2014年09月21日

姜 兆文 今年繰り返し尾瀬沼でシカの調査を行った。ある日、調査を終了後山小屋に戻る途中、林内の木道上で、でっかいナメクジを見た(写真1)。写真を撮った後、このまま木道の上にいると、踏まれてしまうではないかと思い、枝でナメクジを木道から移動させようと軽く叩いた。動く様子がまったくないことが分かり、さらに強く触ってみた。しかし、ナメクジは木道にしっかり張り付いて、簡単に離すことが出来なかった。無理矢理動かそうとすると、ナメクジは縮んで、全身から真っ白い粘液を分泌し、必死で身を守るように見えた(写真2)。仕方がなく、ナメ…

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No.202 不思議な穴(2)

2014年09月14日

岸本 真弓 毎年訪れる京都の山。変わらずある深い深い穴。かの主はいるのか、今年も私はのぞかなかった。 この穴は人が掘った穴のように思えてならない。昔の動物捕獲用の落とし穴なのだろうか。測ったら、直径120cm、深さは206cmあった。以前いたカエル、どうしてそこにいて、今はどうしているのだろう。 追伸:私はこの主らしき生き物が苦手です(理由はFN27をご覧ください)。なので、主がいることを知った2007年以降は、間違って落ちたりしないよう、遠目に見るだけにしています。 20140914_mysterioushole…

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No.201 不思議な穴(1)

2014年09月02日

岸本 真弓 滋賀県のある山である一帯に穴がたくさんある。ただ地面が50cmほど堀下がっているのや(写真1)、1.2m程度で妙に深くまだ周囲と同化していないようなもの(写真2)もある。木が倒れて穴があき、倒れた木は朽ちたか、どこかに行ってしまったかが有力な線なのですが、どうでしょう。 20140902_mysterioushole.jpeg

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No.200 逃げ方

2014年08月06日

海老原 寛 草地を歩く複数の影。鳥のようであるが、よくわからない。車で近づくと薮に隠れてしまう。ウズラ?それにしては大きい。時間をおいて戻ってみると、そこには見覚えのある姿が一緒に見えた。キジのオスだ。そうか!これはウズラではなく、キジの幼鳥だったんだ!父親と母親、子供が5羽ほど。薮から一番近い位置に母親、次に子供たち、一番遠い位置に父親がいる。逃げる時は、母親は全速力で、父親は威厳を保っているように見せながら早足で、子供たちは全速力で逃げる個体もいれば、キョロキョロしてからとりあえず薮に向かう個体もいる。普段、群…

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No.199 花のような(2)

2014年07月08日

岸本 真弓 フォトブログNo.91で春に見る花のような新葉について書きました。そしてその理由はアントシアニンだと(No.136)。 秋の山、まだ太陽まで遠い地面の上にも花のような新葉がありました。色はピンクで、「花のよう」というよりも、そのものの形態で美しい葉でした。こんなに特徴的なのにどちらもまだ種同定できないでいます。どなたか教えてください。 20140708_20140708.jpeg

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No.198 農道のアナグマ

2014年06月30日

杉浦 義文 ぽかぽか陽気のある日、ミカン畑の農道でアナグマに出会った。 アナグマという生き物は地中での生活に順応しているためか視力は弱いようで、こちらが立ち止まって観察していると何も気にせずどんどん近づいてくる。 これはシャッターチャンスと思ってカメラに手を伸ばした時に服が擦れて音がしてしまった。こんな些細な音ではあったのだが、アナグマは急に立ち止まりこちらを凝視…こちらのことを見えてはいないようなのだが、しきりに辺りの匂いを嗅いでしばらくすると脇の側溝のなかに消えていった。 視力が弱いためにどんくさい一面も見せる…

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No.197 こんがらがる

2014年06月25日

海老原 寛 ロケーションをしようと車から降りると、何やら畑で動くものが。双眼鏡をのぞいてみると、防護ネットにアナグマが絡まっていた。もがけばもがくほどさらに絡まり、抜け出せなくなっている。外してあげようと思い近づくと、それに焦ったアナグマが渾身の力で前足を引いた。その拍子でネットが外れ、アナグマは一目散に逃げて行った。ネットには赤い血が滲んでいた。 獣害を防止するためにネットを張るのは当然じゃないか。でも、それで動物たちが作物をあきらめてくれるならよいことだけど、ケガをしてしまうのだとしたら少しさみしいな。いやいや…

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No.196 灯

2014年06月02日

海老原 寛  調査からの帰り道で兵庫県豊岡市を通った際、コウノトリを見かけた。  ご存知のように豊岡市ではコウノトリの自然復帰を試みており、平成24年には野生生まれの両親から雛が誕生しているとのこと。写真の個体はどちらも足環をしており、放鳥個体のようであった。  ペアになりたてのようで、オスと思われる個体がせっせと巣材を運んでいる。ただ、巣材を運んでいる先が鉄塔の上なのである。日本各地でカラスが送電線付近で営巣したことが原因となり、停電が生じている。コウノトリでも同じような問題が生じる可能性があり、電力会社が巣や卵…

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No.195 クマさんありがとう fromタヌキ?

2014年05月19日

岸本 真弓  久しぶりに中部地方を歩いた。近畿地方で見つけると嬉しくなるクマ糞も、当地では緊張感を覚えるほどの発見率だ。 アセロラドリンクのように鮮やかなイチイのクマ糞が3個も目に飛び込んできた。甘みたっぷりマロンを思わせるドングリのものは口内の唾を誘う。明らかに違う時、あるいは違う個体の落としものである(写真1)。  ケモノ道に点在するクマ糞の横に、地味にタヌキのタメ糞があった(写真2)。タヌキもイチイを食べたいだろう。けれども、イチイは自分では行けないところにしかないかもしれない、行けても一番美味しい状態のもの…

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No.194 私はアオサギよりの子供だった

2014年05月07日

海老原 寛 ある日、ダイサギとアオサギがごく近い距離で並んでいるのを見つけた。 2羽とも獲物が来るのをじっと待ち構えている。しかし、10分経っても獲物は現れないようだ。それでも辛抱強く待つダイサギと対照的に、アオサギはきょろきょろそわそわ。ついには、写真左に向かって歩き出してしまった。そのとき、ダイサギが獲物を見つけてパクッ!歩き始めていたアオサギはギョっと振り返る。くやしいアオサギはダイサギの獲物を横取りしようとするが奪えず、ダイサギは飛び立ってしまった。アオサギは先ほどまでダイサギが立っていた場所に立ち、獲物を…

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No.193 噛み合わせ検査シート

2014年05月01日

岸本 真弓 2013年秋、昨年はなんともなかった看板が割れて落ちていた(写真1)。 見るときれいに歯形がついている。切歯は6本、りっぱな犬歯です(写真2)。  やや、噛み合わせに偏りがあるようですよ、クマくん。それとも割る時に内側に力をいれましたか? 20140501_kamiawase.jpg

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