No.202 不思議な穴(2)
岸本 真弓 毎年訪れる京都の山。変わらずある深い深い穴。かの主はいるのか、今年も私はのぞかなかった。 この穴は人が掘った穴のように思えてならない。昔の動物捕獲用の落とし穴なのだろうか。測ったら、直径120cm、深さは206cmあった。以前いたカエル、どうしてそこにいて、今はどうしているのだろう。 追伸:私はこの主らしき生き物が苦手です(理由はFN27をご覧ください)。なので、主がいることを知った2007年以降は、間違って落ちたりしないよう、遠目に見るだけにしています。 20140914_mysterioushole…
No.201 不思議な穴(1)
岸本 真弓 滋賀県のある山である一帯に穴がたくさんある。ただ地面が50cmほど堀下がっているのや(写真1)、1.2m程度で妙に深くまだ周囲と同化していないようなもの(写真2)もある。木が倒れて穴があき、倒れた木は朽ちたか、どこかに行ってしまったかが有力な線なのですが、どうでしょう。 20140902_mysterioushole.jpeg
No.200 逃げ方
海老原 寛 草地を歩く複数の影。鳥のようであるが、よくわからない。車で近づくと薮に隠れてしまう。ウズラ?それにしては大きい。時間をおいて戻ってみると、そこには見覚えのある姿が一緒に見えた。キジのオスだ。そうか!これはウズラではなく、キジの幼鳥だったんだ!父親と母親、子供が5羽ほど。薮から一番近い位置に母親、次に子供たち、一番遠い位置に父親がいる。逃げる時は、母親は全速力で、父親は威厳を保っているように見せながら早足で、子供たちは全速力で逃げる個体もいれば、キョロキョロしてからとりあえず薮に向かう個体もいる。普段、群…
No.199 花のような(2)
岸本 真弓 フォトブログNo.91で春に見る花のような新葉について書きました。そしてその理由はアントシアニンだと(No.136)。 秋の山、まだ太陽まで遠い地面の上にも花のような新葉がありました。色はピンクで、「花のよう」というよりも、そのものの形態で美しい葉でした。こんなに特徴的なのにどちらもまだ種同定できないでいます。どなたか教えてください。 20140708_20140708.jpeg
No.198 農道のアナグマ
杉浦 義文 ぽかぽか陽気のある日、ミカン畑の農道でアナグマに出会った。 アナグマという生き物は地中での生活に順応しているためか視力は弱いようで、こちらが立ち止まって観察していると何も気にせずどんどん近づいてくる。 これはシャッターチャンスと思ってカメラに手を伸ばした時に服が擦れて音がしてしまった。こんな些細な音ではあったのだが、アナグマは急に立ち止まりこちらを凝視…こちらのことを見えてはいないようなのだが、しきりに辺りの匂いを嗅いでしばらくすると脇の側溝のなかに消えていった。 視力が弱いためにどんくさい一面も見せる…
No.197 こんがらがる
海老原 寛 ロケーションをしようと車から降りると、何やら畑で動くものが。双眼鏡をのぞいてみると、防護ネットにアナグマが絡まっていた。もがけばもがくほどさらに絡まり、抜け出せなくなっている。外してあげようと思い近づくと、それに焦ったアナグマが渾身の力で前足を引いた。その拍子でネットが外れ、アナグマは一目散に逃げて行った。ネットには赤い血が滲んでいた。 獣害を防止するためにネットを張るのは当然じゃないか。でも、それで動物たちが作物をあきらめてくれるならよいことだけど、ケガをしてしまうのだとしたら少しさみしいな。いやいや…
No.196 灯
海老原 寛 調査からの帰り道で兵庫県豊岡市を通った際、コウノトリを見かけた。 ご存知のように豊岡市ではコウノトリの自然復帰を試みており、平成24年には野生生まれの両親から雛が誕生しているとのこと。写真の個体はどちらも足環をしており、放鳥個体のようであった。 ペアになりたてのようで、オスと思われる個体がせっせと巣材を運んでいる。ただ、巣材を運んでいる先が鉄塔の上なのである。日本各地でカラスが送電線付近で営巣したことが原因となり、停電が生じている。コウノトリでも同じような問題が生じる可能性があり、電力会社が巣や卵…
No.195 クマさんありがとう fromタヌキ?
岸本 真弓 久しぶりに中部地方を歩いた。近畿地方で見つけると嬉しくなるクマ糞も、当地では緊張感を覚えるほどの発見率だ。 アセロラドリンクのように鮮やかなイチイのクマ糞が3個も目に飛び込んできた。甘みたっぷりマロンを思わせるドングリのものは口内の唾を誘う。明らかに違う時、あるいは違う個体の落としものである(写真1)。 ケモノ道に点在するクマ糞の横に、地味にタヌキのタメ糞があった(写真2)。タヌキもイチイを食べたいだろう。けれども、イチイは自分では行けないところにしかないかもしれない、行けても一番美味しい状態のもの…
No.194 私はアオサギよりの子供だった
海老原 寛 ある日、ダイサギとアオサギがごく近い距離で並んでいるのを見つけた。 2羽とも獲物が来るのをじっと待ち構えている。しかし、10分経っても獲物は現れないようだ。それでも辛抱強く待つダイサギと対照的に、アオサギはきょろきょろそわそわ。ついには、写真左に向かって歩き出してしまった。そのとき、ダイサギが獲物を見つけてパクッ!歩き始めていたアオサギはギョっと振り返る。くやしいアオサギはダイサギの獲物を横取りしようとするが奪えず、ダイサギは飛び立ってしまった。アオサギは先ほどまでダイサギが立っていた場所に立ち、獲物を…
No.193 噛み合わせ検査シート
岸本 真弓 2013年秋、昨年はなんともなかった看板が割れて落ちていた(写真1)。 見るときれいに歯形がついている。切歯は6本、りっぱな犬歯です(写真2)。 やや、噛み合わせに偏りがあるようですよ、クマくん。それとも割る時に内側に力をいれましたか? 20140501_kamiawase.jpg
No.192 キツネ
山田 雄作 昨年の12月に群馬県の調査地でキツネに出会いました。 調査中に中型動物に遭遇することは珍しくはありませんが、その多くはタヌキ・テン・ハクビシンです。珍しくて車を止めてみていると車から5m程度の距離まで近づいてきました。その時に撮影したキツネです。 20140410_kitsune.jpg
No.191 富士山の癒し効果
姜 兆文 先日、シカの生息状況モニタリング調査(山の稜線上を歩きながらシカの糞塊を数える)に参加した。上り坂の稜線を登り続けかなり疲れた。少し平らなところに着いたら、休憩しようと思った。足を止めて右側を眺めると、驚くほど綺麗な雪富士(写真1)が見えた。富士山を見た瞬間、全身に爽快感が走って、疲れが全くなくなった。その後、綺麗な富士山(写真2、3)を見ながら調査が続く、幸せな一日になった。富士山に癒され、楽しい調査ができて、ありがとう! 実は富士山は私にとって特別な意味がある。中国人は日本に来て、富士山を見なければ日…
No.190 肉を切らせて骨を断つ
岸本 真弓 滋賀県のある町に調査に行ったときのこと。 稲刈りの済んだ山田の中に一部だけ金色の稲穂が揺れていた。 そしてその横にはイノシシを有害獣として捕獲するための箱ワナがあった。 よく見ると稲穂には実がついていて、決して色や葉だけでイノシシをおびき寄せようとしているのではなく、イノシシが食べたい状態で置いてあるのだ。 田んぼの持ち主の方の並々ならぬ思いが伝わってくる。 ただ、稲穂より魅力的な餌がワナの中にないように思えたのが残念だ。肉の切られ損にならなきゃいいのだけれども。 20140114_nikuwokira…
No.189 あやとり
岸本 真弓 鳥取の秋の山。 シカの糞を探してなので、下を向いて歩く。横からはりだす木々の枝も見ることはなく、手で払う。払えない大きなものでも体を進めればほどけるように横に流れていくことが多い。 シカの採食圧がそれなりにあったここでは、低木ブッシュとの格闘はなく、苦もなくスルスルと歩を進めていた。視界の上隅に入ってきた枝も手でよけた、、、つもりだったが、手が抜けなかった。 どこかを目指していたツルが途中で断念したのか、それとも前には何かを抱き、あるいは支えられていたのかもしれない。でも今は空をつかんでいる(写真左上)…
No.188 てっぺんの巨大な中国地図を発見!
姜 兆文 南アルプスの標高3033メートルの仙丈ヶ岳に巨大な「中国地図」(写真1)を発見した(図1、中国全域の白地図)。そっくりだと思いませんか。 昨年6月29日にGPS首輪が装着されたシカを探査するため、同じ会社の奥村さんと北沢峠から仙丈ヶ岳に登った。午後4時ぐらいに、くぼ地にある山小屋へ到着する前、最後の高所を越えると、山小屋を囲んでいる一面の山々が現れた(写真2)。その瞬間、この巨大な雪の「中国地図」が見えた。見た瞬間、非常にびっくりして、とても興奮したので、思わず、「これは中国地図だ」と叫んでしまった。日…
No.187 でかい!
溝井 彩 道路脇にひょこっと出てきたヤクシカ。いいタイミングでこちらを向いてくれました。 先日、ヤクシカの調査で屋久島に行ってまいりました。 初めて足を踏み入れた屋久島は終始、本州とは違う姿に驚かされっぱなし。 特に印象的だったのが、写真でもわかる様に、シダの大きいこと! (ヤクシカが本州のものと比べてかなり体が小さい、というのもあるかもしれませんが・・・)それにしても、でかい。自分もシダの横に並んで写真を撮っておけば良かった、、と少し心残りです。 たった一枚の写真に色々な濃さの緑があって、この写真を見ているだけで…
No.186 あなたのお名前は?
中山 智絵 先日、瑞牆山に行った際、特徴的な形のきのこを見つけた。「これぞ正にラッパ型!きっと後で調べれば種名がわかるはず。」と思い、写真を撮りその場を後にした。 後日、時間ができたので同定を試みる。とは言っても、サンプルはないうえに、きのこ初心者なので、当たりがつけば良いなといった程度。さて、まずはネット検索から。ラッパ型で検索できるサイトがあったのでそれを見てみる。…シロアンズタケに似たようだが違う気がする。次に、図鑑で検索。…ウスタケと形がほぼ同じ!生育地もばっちり当てはまる。しかし、色が違うような…。「ウ…
No.185 ニホンザルの白変種
清野 紘典 真っ白なニホンザルを見るのは珍しいことです。 加齢とともに体毛が白っぽく変化するサルはしばしば観察されますが、写真のように完全な白色になることは少ないのです。 写真のサルは瞳孔が赤色ではなかったので、アルビノではなく、白変種であると考えられます。 アルビノは先天的にメラニン色素を生成できない遺伝子疾患ですが、白変種はメラニンを生成する正常な遺伝情報がありながら白化します。白変種と考えられるポイントは、瞳孔の色に加え、頭の一部分だけは通常のニホンザルと同じように茶色系の色になっていることです。メラニンを作…
No.184 お疲れ様です
金子 文大 2011年夏、とある山中での一コマです。クマの毛を引っ掛けるために仕掛けたヘアトラップの見回りをしていると、クマをおびき寄せるためのベイト (蜂蜜) にセミの抜け殻がくっ付いていました。ベイトは、木と木の間にロープを渡し、吊るしてあるのですが、セミの幼虫は木を登り、さらにロープを伝って、ベイトの上で羽化したのでしょうか… 20130829_otukaresaamadesu.jpg
No.183 乗り越えてやってくる
岸本 真弓 遠方から見たとき、「何しているのかな?」と思った、このかかし。結構リアルです。 柵の向こう側(林内)にいる動物に対する威嚇なのだろうけど、このように設置されたもの初めて見ました。 20130806_norikoete.jpg